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3冠レース初戦の皐月賞が14日、中山競馬場で18頭によって争われ、断然の1番人気に推されたサートゥルナーリアがゴール前の叩き合いを制してV。4戦4勝で2005年のディープインパクト以来、14年ぶり史上17頭目となる無敗の皐月賞馬が誕生した。ルメール騎手は桜花賞に続くGI連勝で、史上9人目のクラシック競走完全制覇。次走は上位5頭に優先出走権が与えられる日本ダービー(5月26日、東京、GI、芝2400メートル)で、史上7頭目の無敗の2冠馬を目指す。
火花散る激戦の末に歴史的勝利が生まれた。平成最後のクラシックホースとなったのは、サートゥルナーリア。4戦全勝で3冠初戦を制したルメール騎手は、検量室前で右拳を掲げた。
「調教ですごくいい感じだったので、ずっと自信がありました。いいポジションを取れて、道中もいい感じ。最後は休み明けのぶん疲れていたけど、ゴールまで頑張ってくれました」
中団追走から、3~4コーナーで先団を射程に入れる。直線入り口で外からヴェロックスに併せると手に汗握る展開に。左ムチに反応して鋭く先頭に出た瞬間、内によれて相手と接触。「スタンドに物見して少しモタれた」が、内から抜け出したダノンキングリー、ヴェロックスとの追い比べを根気よく制した。
年明け初戦Vは皐月賞史上初で、『中106日』は2016年ディーマジェスティなど4頭の『中62日』を超える最長間隔。「休み明けで勝つのは簡単じゃない」と称賛した鞍上は桜花賞に続く2週連続GI勝利でクラシック完全制覇。「コンプリートはジョッキー人生においてすごいアチーヴメント(達成感)」と声を弾ませた。
「うれしいです。これまで叩き合いの経験がなかったので激しい競馬に戸惑ったようだけど、頑張ってくれました」と、昨夏の飲酒運転事故をかんがみて表彰式を自重した角居調教師も、会見では笑顔。「休み明けは不安だらけでした」。最大目標の日本ダービーから逆算し、2度の長距離輸送による疲労を懸念して決断した直行策。その分「うちでは今までないくらい攻めました」(滝川助手)。期待に応え、厩舎の先輩でもある母シーザリオ(オークス)、兄エピファネイア(菊花賞)に続くクラシック制覇。トレーナーは「すごいお母さん。日本を代表する血脈になった」と、厩舎と縁深い血統を誇った。
無敗の皐月賞馬は05年ディープインパクト以来、14年ぶり17頭目。1984年のグレード制導入後、日本ダービーに進んだ4頭はいずれも2冠馬となった。
「すごい戦いだったけど、いい経験。きょうはコンディションも100%じゃなかったけど、次はトップコンディションで行けると思うし、もっといい競馬ができるかもしれない」とルメール騎手。平成から令和へとまたぐ、クラシックの主役へ-。サートゥルナーリアの進撃は止まらない。 (千葉智春)
★斜行ルメールに過怠金5万円
最後の直線で(12)サートゥルナーリアが内側に斜行したため、(7)ヴェロックスの進路が狭くなったとして審議になったが、降着・失格には至らなかった。着順確定までに要した時間は約12分。ルメール騎手は斜行について過怠金5万円を科された。
★入場&売り上げ
皐月賞の売り上げは182億6028万2300円で、前年比102・4%だった。今年のGIは桜花賞こそ微減だったが、フェブラリーS、高松宮記念、大阪杯に続いて4レースめの売上増。入場者数も前年比118・1%の5万752人で、大いににぎわった。
サートゥルナーリア 父ロードカナロア、母シーザリオ、母の父スペシャルウィーク。黒鹿毛の牡3歳。栗東・角居勝彦厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。戦績4戦4勝。獲得賞金2億2715万7000円。重賞は2018年GIホープフルSに次いで2勝目。皐月賞は角居勝彦調教師は10年ヴィクトワールピサに次いで2勝目、クリストフ・ルメール騎手は初勝利。馬名は「公現祭での行事の基礎ともなった古代ローマの祭り。母名より連想」。
★14日中山11R「皐月賞」の着順&払戻金はこちら
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