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【シャンティイ(フランス)3日=山口大輝】凱旋門賞(10月7日、パリロンシャン、GI、芝2400メートル)に日本馬でただ1頭参戦するクリンチャー(栗・宮本、牡4)が、エーグル調教場のダート直線コースで約1200メートルの追い切りを行った。残り200メートル付近から一杯に追われ、しっかりと負荷がかけられた最終調整。見守った武豊騎手(49)=栗東・フリー=も「確実に良くなっている」と太鼓判を押し、万全の状態で本番を迎えられそうだ。
気温10度前後のひんやりとした空気に包まれた森の中を、クリンチャーが力強く駆け抜けた。エーグル調教場のダート直線コースで、負荷をかけられた最終調整。地元フランスのメディアも集まった共同会見で、宮本調教師は満足げな表情を浮かべた。
「着実に馬は良くなっています。きょうの追い切りもビシッとやったので、さらにおなかもシャープになると思う」
午前9時ごろ、朝露と前夜の小雨で湿ったダートで、脚ならしのキャンター。落ち着いた走りで体を温めて、追い切りへ。大きなフットワークで加速すると、ラスト200メートル付近で促されてトップスピードへ。迫力満点の脚どりで、大一番への“メイチ”仕上げを印象づけた。
トレーナーは「最初から(しっかりと)やる気でいました。(フォワ賞後と)同じように、ダートコースで追い切れたのもよかった」と予定通りの調整を強調。「フォワ賞は前哨戦なりの100%だったが、本番はさらに状態をあげられそう」と大きくうなずいた。
見守った武豊騎手も「状態はいいと聞いたし、フォワ賞よりシャープというかフィットした感じ。状態は、確実に良くなっていると思います」と笑顔をみせた。
前日2日にフランスギャロ(競馬統括機関)が「オープンストレッチ(新型仮柵)」を凱旋門賞で使わないことを発表。仮柵が外されることにより、ラチ沿いの保護されていた良好な芝が出現する。JRA4000勝を達成した名手も「自分にとってはいいかなと思う。まだ(作戦は)決めていないけど、なるべく前のポジションは取りたい。気持ち的には、いい知らせですよ」と歓迎。クリンチャーに追い風が吹いている。
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