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2023年度のJRA賞授賞式が29日、東京都内のホテルで行われた。2年連続での年度代表馬に輝いて引退、種牡馬入りしたイクイノックス(牡5)に、海外からやってきた良血馬など豪華な繁殖牝馬との種付けプランが浮上。種牡馬としても日本一、世界一を目指す。また、GⅠ9勝のアーモンドアイ(牝9)が史上35頭目の顕彰馬として表彰され、今年はイクイノックスと交配されることが改めて発表された。
イクイノックスは昨年、ドバイシーマクラシック、宝塚記念、天皇賞・秋、ジャパンCとGⅠで4戦4勝を飾った。一昨年からGⅠ6連勝の偉業をなし遂げ、2年連続での年度代表馬に選出。IFHA(国際競馬統括機関連盟)の「2023年ロンジンワールドベストレースホースランキング」でも世界1位に輝いた。
全10戦の手綱を取ったルメール騎手は「騎手にとってはほとんどパーフェクトな馬。競馬の世界のなかで〝ディープインパクト〟になりました」と完全無欠のパフォーマンスをたたえた。木村調教師も「朝焼けのなか、(調教で)元気に坂路を駆け上がっている彼のシルエットが脳裏に焼き付いています。厩舎でやれることはやり切ったと誇りに思っています」とスーパーホースとの日々に胸を張った。
現在は社台スタリオンステーション(北海道安平町)で種牡馬として種付けの準備を進めており、ノーザンファームの吉田勝己代表は「試験種付けも無事終了し、ものすごく安心しています。あんなに強い馬はいなかったし、種付けする牝馬もトップレベルの馬を集めてリーディングサイアーになれるようにもっていきたい」と、超豪華な〝花嫁〟を用意する考えを示した。
最強馬のDNAには、海外からも熱い視線が注がれている。吉田代表は「すごいですよ。外国からも(繁殖牝馬が)来ている」と明かした。
世界的な馬主、生産者組織であるクールモアグループは、GⅠ5勝オーギュストロダンの叔母にあたるヘヴンオブヘヴンズや、GⅠ4勝チャーチルの全妹ドーワーハウス(ともに父ガリレオ)など、複数の良血繁殖牝馬を日本に送り込んできた。すでにイクイの父として実績を残すキタサンブラックや無敗3冠馬コントレイルといった先輩の種牡馬だけでなく、「イクイノックスも候補になりますよ」と吉田代表は話した。
早ければ2月中旬から種付けがスタートする見込み。種牡馬としても日本一、そして世界一へ―。イクイノックスの新たな挑戦が始まる。(内海裕介)
■JRA賞 1954年に始まった表彰制度で、87年からはJRA主催。競走馬部門の選考では中央競馬の報道に携わる新聞、放送記者クラブに3年以上在籍している記者と専門紙トラックマンの投票で、各部門の投票者数の⅓以上の票を集めた最多得票馬から選出される。年度代表馬は各部門の受賞馬の中から選ばれる。
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