7日のGI
安田記念に続いて、今週も“勢い”に注目だ。日曜阪神の牝馬限定のハンデGIII
マーメイドステークス(14日、芝2000メートル)で重賞に初挑戦する
マリアライトは、メンバー唯一の連勝馬。4歳を迎えて心身ともに成長して軌道に乗った良血の
ディープインパクト産駒が、3連勝での重賞初Vを狙う。
小さなつぼみが大きく花開くときが来た。条件戦を連勝してきた
ディープインパクト産駒の
マリアライトが、勢いそのままに初めての重賞へ。久保田調教師が愛馬の充実ぶりを口にする。
「レース後の回復が早くなってきた。だいぶ馬がしっかりしてきたね。この中間もさらに良化している感じ」
半兄にGI馬
クリソライト(2013年ジャパンダートダービー)を持つ期待馬。馬格に恵まれた兄弟に比べて420キロ弱と小さく、素質に体力が追いつくのに時間がかかったが、今年2月の復帰戦(1000万下3着)で体が10キロ増えて力強さが出てきた。
続く潮来特別(1000万下)を3馬身差で快勝。そして、前走の緑風S(1600万下)が圧巻だった。直線で1番人気馬に外からブロックされ、進路がなくなる厳しい競馬を強いられたが、一旦下げて、外へ出してからの差し切り。18頭中ただ1頭の牝馬が牡馬を手玉にとった。「たいしたもの。牧場、厩舎スタッフが大事に育ててくれたから、モノになってきた」。蛯名騎手も本格化の兆しを感じ取った。
8日にハンデが53キロに決まった。前走と同じだ。
マーメイドSは53キロ以下の軽量馬が活躍するレースで、過去10年で53キロの馬が最多の5勝をマーク。さらに
ディープインパクト産駒は過去3頭が出走し、12年
グルヴェイグ、13年
マルセリーナが優勝と、データが
マリアライトを後押しする。
久保田師が「秋に向けてどんな競馬ができるか」と期待を込める
マリアライト。メンバーを見渡しても連勝馬は1頭のみ。
モーリスが勝った7日の
安田記念と同様、勢いで実績馬を圧倒する。
★レース展望
実績ではメンバー唯一の重賞馬
バウンスシャッセが断然だ。
フラワーC、
中山牝馬SのGIII2勝に加え、GI
オークスで3着。ハンデは他馬より最少でも2キロ重い56キロに設定された。一番軽い馬とは7キロ差ある。
リラヴァティは前走のGIII
福島牝馬Sで2着とメキメキ力を付けている。据え置きのハンデ53キロならば好勝負必至。過去に
チューリップ賞2着がある
ウインプリメーラ(54キロ)、ただ1頭の連勝馬
マリアライト(53キロ)も上位争いだ。過去10年で馬単万馬券が6回と難解なレースだけに、軽量馬にも注目。中でも最軽量49キロの3歳馬
アースライズは
フラワーC2着、
オークス4着の実力馬。初の古馬相手でも十分に通用する。
★
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★今週の馬券作戦
先週の東京、阪神で牡馬と牝馬がともに出走したレースは36あり、牝馬は12勝、2着9回。特に特別戦では13レース中、牝馬が6勝、2着2回と活躍が目立った。そのうち3歳牝馬が3勝をマーク。世代のレベルの高さを物語っている。一般的に、気温が上昇するにつれて夏バテしやすくなる牡馬に対し、牝馬は暑さに強いといわれている。
マーメイドSは牝馬限定戦だが、特別レースを中心に牝馬を狙ってみるのも馬券戦術の一つだ。