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第48回札幌記念(19日、札幌11R、GII、3歳上オープン国際(特指)、定量、芝2000メートル、1着本賞金6500万円 =出走14頭)太宰啓介騎乗で4番人気の6歳牝馬フミノイマージンが、後方待機から3コーナー過ぎで外を通って一気に進出。早めに先頭に立った断然の1番人気ダークシャドウを直線で外から1/2馬身かわして、夏のビッグレースを制した。タイム1分58秒7(良)。フミノイマージンは牡馬相手に重賞4勝目を飾り、悲願のGI初制覇への手応えをつかんだ。2番人気で昨春の天皇賞馬ヒルノダムールが3着。
札幌の広い青空に、大歓声がこだました。外から伸びた6歳牝馬フミノイマージンが、堂々と強豪牡馬を打ち負かした。
「外から自分でまくっていって、強い馬を負かした。やっと“らしさ”を見せられたかな」
太宰啓介騎手が会心のレースを振り返る。道中は後方追走でパワーを温存し、3コーナー手前から外を通って進出開始。4コーナーで先行勢を射程圏に捕らえると、力のいる洋芝をものともせずに弾けた。先に抜け出したダークシャドウを半馬身差かわして重賞4勝目をマーク。不完全燃焼に終わっていた近走のうっぷんを晴らし、初めて牡馬混合の重賞を制した。
太宰にとっても、悔しさを吹き飛ばす1勝だった。昨年はフミノイマージンとのコンビでGIII福島牝馬Sを制し、デビュー14年目にして重賞初制覇を達成。その後もマーメイドS、愛知杯と重賞勝利を重ねたが、今年に入っての2戦は4、3着で、ヴィクトリアマイル(15着)の前に、乗り替わりを通告された。
「悔しさもあったし、申し訳なさもあった」
4月のサンスポ杯阪神牝馬S3着以来、3戦ぶりのコンビ再結成。「とにかく、スムーズに乗ることだけを考えた。1コーナーから(馬群が)ごちゃついていたので、外からまくりきろうと思った」。太宰はこの日が札幌競馬場での初騎乗だったが、4戦2勝3着2回の活躍。知らないコースでも、馬を信じて能力を最大限に引き出した。
本田優調教師は「牡馬をねじ伏せたからGI級だね。大胆に乗ればいい。それで負けても悔いはないんだから。もともと(太宰)啓介が乗っていた馬。それで結果を出してくれたからな」とコンビ継続を示唆した。
今後は府中牝馬S(10月13日、東京、GII、芝1800メートル)から、エリザベス女王杯(11月11日、京都、GI、芝2200メートル)へ。「馬の力を出せたのが一番うれしかった。秋が楽しみ」。太宰はホッとした表情で、実りの秋への期待を口にした。 (川端亮平)
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