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春のチャンピオンマイラー決定戦、安田記念(3日、東京競馬場、GI、芝1600メートル)の枠順が1日、確定した。確たる主役不在で混戦模様の一戦を森田実記者(40)は、〔5〕枠(9)番と好枠をゲットしたフィフスペトルに◎を打った。注目度は低いものの、昨年秋のGIマイルCSでは11番人気で2着に健闘した意外性のある馬。ここにきて体調は良化しており、昨秋も◎を打った大王は「雰囲気が似てきた」と自信を持って勝負する。
今年の安田記念は近年でもまれに見る大混戦だ。GIウイナー、新興勢力、香港からの刺客にも注目が集まるが、この馬を軽視してはいけない。実力馬(9)フィフスペトルで勝負をかける。
昨年の秋を思い出してほしい。9月に京成杯オータムハンデを1分31秒9(良)の好タイムで優勝。11月のマイルCSでは逃げたシルポートの2番手を進んで直線で抜け出し、最後はエイシンアポロンにクビ差かわされたものの2着に踏ん張った。今回はそのときに似た雰囲気が漂っている。
マイルCS後は香港遠征も選択肢にあったが、「来年GIを獲る」と加藤征弘調教師は決断して充電期間にあてた。始動戦の中山記念(重)は6着、2戦目のマイラーズC(稍重)は7着と道悪で能力を出し切れなかったが、使われて確実に良化。「ベストの状態で安田記念を迎えるため、逆算してやってきた」とトレーナーは説明する。
GIを勝つための究極仕上げも施された。1週前の5月23日には茨城県・美浦トレセンの南ウッドコースで長めから追い切り、6ハロン(1200メートル)80秒0の好時計をマーク。マイルCSの1週前にもウッド6ハロン80秒9を出しており、「GIを甘く見てはいけない。ビシッといかないと」と指揮官はうなずく。30日の最終追い切りもウッドを5ハロン66秒0で駆け抜けて万全をアピール。「いい動きだったし、走りそうな雰囲気だよ」と最高の状態で愛馬を送り出す。
さらに東京競馬場の馬場もフィフスペトルを後押しする。現在の芝コースは内が有利で、前へ行った馬は止まらない。先週のダービーも4コーナー3番手から抜け出したディープブリランテが制し、後方から直線勝負にかけた1番人気ワールドエースは4着、2番人気ゴールドシップは5着までだった。「全体的にコンディションがいいので、距離のロスなく走れる内が残る。芝の丈は長めだが、速い時計が出る」とあるトップジョッキーは証言。好位からスピードを生かすフィフスペトルにとってベストの舞台といっていい。
枠順は〔5〕枠(9)番をゲット。「〔3〕枠(6)番から〔5〕枠(10)番の間が欲しかった。レースがしやすいし、ちょうどいい」と加藤征調教師の弾む声を聞いてさらに自信は深まった。マイルCS同様に逃げるシルポートをマークし、直線で抜け出すのがVシナリオだ。
馬券は馬単(9)⇔(7)、(9)⇔(4)を本線に(9)(3)、(9)(5)、(9)(11)、(9)(14)。馬連、ワイドでも高配当必至で手広く流したい。思えば昨年のマイルCSを当てて1面予想に起用され、大王伝説が始まった。波乱のマイルGIを当てて一緒に美酒を味わおう。 (森田実)
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