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エリザベス女王杯データ分析
3歳馬と古馬が集う唯一の牝馬限定G1。舞台となる京都競馬場の芝外回り2200mは、スタンド前からスタートして最初のコーナーまでの距離が約400mと十分にあり、最後の直線も約400mと長く、紛れの少ないコースである。しかし、3コーナーを回ると上り、4コーナーにかけては下りがある特殊な形態のためかリピーターの好走が多く、2007年以降だけでも、フサイチパンドラ、スノーフェアリー、アパパネ、ラキシス、ヌーヴォレコルト、ミッキークイーン、モズカッチャンが2年連続して馬券絡みを記録。2017～2019年はクロコスミアが3年連続2着したことが話題となった。また、変則日程で阪神芝2200mに舞台を移した2020年も、ラッキーライラックとラヴズオンリーユーが前年に引き続き馬券対象となっている。施行コースにかかわらず、過去の好走馬には警戒が必要だろう。（各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります）※2022年は阪神・芝2200mで行われます
【人気】
別表を見る限り、平均配当は高めだが、これは11番人気→12番人気のワンツー決着だった2009年、10番人気→7番人気→9番人気で決まった2021年の大波乱で大きく引き上げられたもの。基本的には上位人気を信頼できるレースだ。2007年以降、1番人気と2番人気がともに複勝圏を外しのは2017年と2021年の二度しかない。確定単勝オッズ3.0倍超の「押し出された1番人気」は過信禁物だが、2.5倍以下の1番人気は安定しており、該当馬はしっかり3着以内を確保している。「荒れるG1」の先入観を持ちすぎて、高い支持を集めた1番人気を軽んじるのは禁物だ。
◆人気別成績（過去20年）
| 人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1番人気 | 4-5-4-7 | 20.0% | 45.0% | 65.0% | 45.5% | 83.0% |
| 2番人気 | 4-4-3-9 | 20.0% | 40.0% | 55.0% | 68.0% | 87.0% |
| 3番人気 | 4-1-2-13 | 20.0% | 25.0% | 35.0% | 115.0% | 71.5% |
| 4番人気 | 2-0-6-12 | 10.0% | 10.0% | 40.0% | 108.5% | 97.0% |
| 5番人気 | 1-3-2-14 | 5.0% | 20.0% | 30.0% | 38.5% | 110.5% |
| 6～9番人気 | 3-5-2-70 | 3.8% | 10.0% | 12.5% | 80.5% | 63.1% |
| 10番人気以下 | 2-2-1-151 | 1.3% | 2.6% | 3.2% | 91.0% | 43.9% |
◆単勝オッズ別成績（過去20年）
| 単勝オッズ | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1.9倍以下 | 2-2-1-0 | 40.0% | 80.0% | 100.0% | 62.0% | 110.0% |
| 2.0～2.9倍 | 2-1-2-4 | 22.2% | 33.3% | 55.6% | 61.1% | 77.8% |
| 3.0～4.9倍 | 5-5-2-8 | 25.0% | 50.0% | 60.0% | 94.0% | 90.0% |
| 5.0～7.9倍 | 4-0-5-20 | 13.8% | 13.8% | 31.0% | 89.7% | 65.5% |
| 8.0～14.9倍 | 2-3-7-25 | 5.4% | 13.5% | 32.4% | 58.6% | 82.2% |
| 15.0～19.9倍 | 1-3-1-14 | 5.3% | 21.1% | 26.3% | 80.0% | 113.7% |
| 20.0～49.9倍 | 2-4-2-67 | 2.7% | 8.0% | 10.7% | 65.6% | 63.9% |
| 50.0倍以上 | 2-2-0-138 | 1.4% | 2.8% | 2.8% | 100.0% | 41.8% |
◆配当（過去10年）
| 馬券種 | 最高配当 | 最低配当 | 平均配当 |
|---|---|---|---|
| 単勝 | 6,490円 | 330円 | 1,410円 |
| 複勝 | 1,200円 | 120円 | 363円 |
| 枠連 | 7,480円 | 610円 | 2,337円 |
| 馬連 | 51,870円 | 970円 | 9,648円 |
| ワイド | 15,440円 | 360円 | 2,420円 |
| 馬単 | 137,500円 | 2,140円 | 21,544円 |
| 3連複 | 282,710円 | 3,030円 | 36,848円 |
| 3連単 | 3,393,960円 | 15,570円 | 393,914円 |
【脚質】
逃げ馬の単勝回収率と複勝回収率がズバ抜けているが、これは2009年に11番人気で逃げ切り勝ちしたクィーンスプマンテの一発が大きく影響したもの。2007年以降、逃げ馬で馬券に絡んだ馬は同馬を除くと、2007年1着のダイワスカーレットと2018～2019年2着のクロコスミアの2頭のみ。ハマるときはハマるものの、このレースは有利と言えるほどの活躍は見せていない。先行組と差し組の馬券に絡んだ回数はほぼ互角。一方、後方待機組には厳しいレースで、4角10番手以下から勝ち切った馬は2011年のスノーフェアリーだけとなっている。ただ、凱旋門賞3着→英チャンピオンS3着をステップに臨んだ同馬は、もはや別格の存在とみるべきで、基本的に追い込み馬はヒモまでと考えていい。アタマに関してはほぼノーチャンスと言ってもいいだろう。
◆脚質別成績（過去20年）
| 脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 逃げ | 2-3-0-16 | 9.5% | 23.8% | 23.8% | 376.2% | 133.3% |
| 先行 | 5-10-3-63 | 6.2% | 18.5% | 22.2% | 63.7% | 93.0% |
| 差し | 13-6-13-102 | 9.7% | 14.2% | 23.9% | 112.6% | 60.2% |
| 追込 | 0-1-4-95 | 0.0% | 1.0% | 5.0% | 0.0% | 24.8% |
【枠順】
1～3枠の勝率、連対率、複勝率が上々の一方で、単勝回収率と複勝回収率は低迷。逆に、馬場が荒れ始める開催時期も影響しているのか、8枠の数値はいずれも高い。2007年以降、内枠同士のワンツー決着は2014年、2017年、2019年の3回。6～8枠が馬券に絡まなかったのは、2010年、2016年、2017年の3回と、内枠と外枠の差はほぼない状況になっている。ただし、外枠で馬券に絡んだ馬のほとんどは上がり3F4位以内の末脚を繰り出した馬で占められている。本来、展開的な紛れが少なく内枠有利の色が濃いコース。それを覆すには、メンバー上位の末脚を持つ馬でないと難しいということだ。
◆枠順別成績（過去20年）
| 枠順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1枠 | 2-2-3-29 | 5.6% | 11.1% | 19.4% | 33.9% | 56.1% |
| 2枠 | 2-2-2-32 | 5.3% | 10.5% | 15.8% | 26.3% | 56.8% |
| 3枠 | 2-4-3-29 | 5.3% | 15.8% | 23.7% | 42.6% | 63.9% |
| 4枠 | 3-2-3-32 | 7.5% | 12.5% | 20.0% | 208.8% | 70.5% |
| 5枠 | 1-3-1-35 | 2.5% | 10.0% | 12.5% | 4.8% | 56.0% |
| 6枠 | 3-2-3-31 | 7.7% | 12.8% | 20.5% | 59.5% | 89.2% |
| 7枠 | 0-3-2-46 | 0.0% | 5.9% | 9.8% | 0.0% | 21.4% |
| 8枠 | 7-2-3-42 | 13.0% | 16.7% | 22.2% | 249.1% | 85.9% |
【血統】
種牡馬別では、ディープインパクトが断然の存在。2012年以降、毎年のごとく上位争いに加わっているように、当レースの適性は相当高い。であれば、「ディープインパクト産駒を買うだけで儲かる」と言いたいところだが、その取扱いには注意が必要だ。これまで当レースを制したディープインパクト産駒は、すべて「初G1制覇」。対して、既にG1タイトルを持っていた馬は未勝利と明暗がクッキリ分かれている。とりわけ、後者のパフォーマンスは悪く、2016年2番人気3着→2017年3番人気3着のミッキークイーン、2019年1番人気3着→2020年3番人気3着のラヴズオンリーユーの2頭が最高着順で、人気を上回って馬券に絡んだ馬はゼロ。2200mという特殊な距離ゆえに、クラシックディスタンスを制する適性は足かせになるのかもしれない。理由はともあれ、期待値を勘案すると、馬券を組み立てるうえで効率が悪いと言わざるを得ない。ほかでは、父か母の父にキングマンボ系種牡馬を持つ馬の活躍が顕著。2010～2015年、2017～2018年、2021年と頻繁に馬券に絡んでいる。
◆同コース種牡馬別成績（阪神競馬場／芝／2200m／過去5年）集計期間：2017/10/10～2022/10/10
| 位 | 種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ディープインパクト | 11-10-7-73 | 10.9% | 20.8% | 27.7% | 59.9% | 58.0% |
| 2 | ハーツクライ | 6-1-5-39 | 11.8% | 13.7% | 23.5% | 47.3% | 39.0% |
| 3 | キズナ | 5-3-1-17 | 19.2% | 30.8% | 34.6% | 378.8% | 139.2% |
| 4 | キングカメハメハ | 4-6-2-23 | 11.4% | 28.6% | 34.3% | 80.0% | 83.1% |
| 5 | ドゥラメンテ | 3-1-1-3 | 37.5% | 50.0% | 62.5% | 153.8% | 132.5% |
| 6 | ルーラーシップ | 2-5-8-31 | 4.3% | 15.2% | 32.6% | 18.3% | 92.6% |
| 7 | ハービンジャー | 2-2-4-22 | 6.7% | 13.3% | 26.7% | 18.3% | 85.7% |
| 8 | ステイゴールド | 2-2-0-15 | 10.5% | 21.1% | 21.1% | 278.4% | 74.2% |
| 9 | ゴールドシップ | 2-0-2-5 | 22.2% | 22.2% | 44.4% | 76.7% | 77.8% |
| 10 | バゴ | 2-0-0-1 | 66.7% | 66.7% | 66.7% | 196.7% | 96.7% |
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