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第56回弥生賞(3日、中山11R、GII、3歳オープン国際(指)、馬齢、芝・内2000メートル、1着本賞金5400万円、1~3着馬に皐月賞の優先出走権=出走10頭)池添謙一騎乗で8番人気のメイショウテンゲンが、重馬場をものともせずに中団から差し切って皐月賞の優先出走権を獲得した。タイム2分3秒3。1番人気のニシノデイジーは4着、2番人気のラストドラフトは7着に敗れた。2着シュヴァルツリーゼ、3着ブレイキングドーンが皐月賞の切符を手にした。
雨に煙る中山の直線。ゴール前でもがく人気馬を、外から一気にのみ込んだのは8番人気の伏兵だった。メイショウテンゲンがきさらぎ賞5着から巻き返しのVで、皐月賞への一番切符を手に入れた。
「この雨が味方してくれました」
11度目の親子重賞制覇となった池添兼雄調教師と謙一騎手が口をそろえて勝因を挙げた。
この日は朝から雨で馬場状態は重。弥生賞の時間には、内はかなり走りにくい状態に。大外枠からスタートしたテンゲンは、中団馬群の外を追走。逃げたラストドラフトが直線で馬場の真ん中に持ち出すと、1番人気のニシノデイジー、カントルが内を突いて進出。そこを外から道悪をスイスイと差し切った。
「いい形で運べたし、馬場も気にしていなかった。前走が切れ負けの形だったので早めの形でいきました。お母さんもこういう馬場で大丈夫だったけど、息子もよく走ってくれましたね」
池添騎手が泥をぬぐって笑顔をみせた。母のメイショウベルーガは牡馬相手に日経新春杯、京都大賞典とGIIを2勝。しぶとい末脚が持ち味で、息子にもその遺伝子が受け継がれている。
ベルーガも管理した池添兼師は、「この血統だし、父も父(ディープインパクト)だし、勝てて肩の荷が下りた」とホッとした様子。「気性のきついところは似ているな。母は遅咲きだったけど、この馬もまだひ弱いところが残って、これからの馬ですよ」と、今後の成長に期待する。
それでも弥生賞を勝って堂々と皐月賞へ。「権利を取れたし、賞金も加算できた。クラシックに向けて頑張ってほしいですね」とジョッキーは本番にも色気を持つ。
母はGIではエリザベス女王杯2着が最高。池添親子のタッグもGIでは30戦して勝っていない。さまざまな夢を乗せてメイショウテンゲンがクラシックロードを猛進する。 (柴田章利)
★3日中山11R「弥生賞」の着順&払戻金はこちら
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