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「第81回日本ダービー」(6月1日、東京、GI、芝2400メートル)で皐月賞2着からの逆転を狙う超良血トゥザワールドが28日朝、栗東トレーニングセンター(滋賀県)のCWコースで極上の動きを見せた。皐月賞時を大きく上回る切れ味は確実にGIレベルで、調教チェッカーズも文句なしの“A”評価。あとはレースで皐月賞馬を追い詰め、抜き去るだけだ。
“切れ味”で逆転だ。皐月賞銀メダルのトゥザワールドが、川田騎手を背に強烈な瞬発力をアピールした。
快晴に恵まれた栗東。開門直後の朝1組目、真っさらなCWコースで、重賞4勝の全兄トゥザグローリーを2馬身追いかけた。ジョッキーが「このクラスでこれほど乗りやすい馬は初めて」という操縦性の高さはけさも変わらず、鞍上の意のままにジワリと接近。“ダービーアピール”はエンジンがかかった直線だ。軽く促されると、内から一気に兄を2馬身突き放した。
もともとけいこ駆けすることでは定評があったが、とりわけ皐月賞後の中間は、しまいの切れ強化が印象的だ。先週22日に一杯に追われてラスト1F11秒7と弾けたのに続き、けさは11秒9とはいえ、馬なりに近い手応えでのもの。何より、目標をパスするときの速さは特筆できるレベルだ。
「前走時は弥生賞の疲れも残っていて、軽め、軽めだった。今回はその心配がなく動かせているし、より、この馬らしい動きだった」と、ジョッキーも満点の評価だ。皐月賞後の初時計は5月11日。調教のペースを上げるのを通常より少し遅らせたことで、短期間で体力が回復。それが攻めのけいこにつながった。
「今回はダービー。ここは勝ちに行かないといけない」と、池江寿調教師がイスラ逆転を力強く宣言した。
11年の3冠馬オルフェーヴルに続く2度目の制覇へ意識するのは、やはり“切れ”の部分。「皐月賞は枠順((17)番)やコースもあって、ああいう(前につける)競馬になったけど、東京ならイスラボニータを見ながら、中団で構えて切れ味を生かす競馬でいい」と気持ちは固まっている。
ダービーを目指すことが生まれた瞬間から決まっていた、超エリート。「お父さんがダービー馬のキングカメハメハ(04年)で、お母さんがオークス2着のトゥザヴィクトリー(99年)。配合的にもこの舞台が合わないわけがないんだ」。狙われた皐月賞とは一転、今度はトゥザがイスラを狙い、差し切る番だ。(夕刊フジ)
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