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紫苑S(10日、中山11R、3歳牝馬オープン、馬齢、芝・内2000メートル、1着本賞金1900万円、1~2着に秋華賞(10月16日、京都、GI、芝2000メートル)の優先出走権=出走15頭)安藤勝己騎乗の4番人気カルマート(美・戸田、父シンボリクリスエス)がデルマドゥルガーとの競り合いをハナ差制し、1分58秒2(良)のコースレコードで快勝した。通算12戦3勝。1番人気のオークス2着馬ピュアブリーゼは2番手追走も直線で失速して12着に大敗した。1、2着馬は、秋華賞の優先出走権を獲得した。
ゴール寸前、最後の1完歩で差し返した。夏の新潟で力をつけてきたカルマートが、春の実績馬デルマドゥルガーをハナ差退けてV。1999年9月11日にクリスザブレイヴがマークした1分58秒5のコースレコードを12年ぶりにコンマ3秒更新して、牝馬3冠最終戦の有力候補に躍り出た。
「(相手が)しぶとくて気が抜けなかった。もっと楽に勝てるかと思ったけどね」。ギリギリの勝利に安藤勝己騎手もホッとひと息だが、それだけ道中の手応えは抜群だった。中団追走から瞬時に馬群を抜け出した器用さや、高速馬場への高い対応力は、本番が行われる京都の内回りでも大きな武器になるだろう。
春は未勝利勝ち直後にオークスに挑戦(16着)したように、もともと陣営の期待が大きかった馬。「力をつけているのは分かっていた。今回は他が休み明けのぶんもあったし、次は胸を借りるつもりで挑みたい」と戸田博文調教師は挑戦者の姿勢を崩さないが、いまの充実ぶりなら、秋華賞でも互角以上の戦いが期待できそうだ。 (越智健一)
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