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日曜の札幌競馬場では夏の女王を決めるクイーンSが行われる。地道に成績を伸ばしている古川奈穂騎手(22)=栗・矢作=がグランスラムアスクとのコンビで重賞初騎乗。全4勝のうち3勝が古川奈騎手の手綱という好相性の人馬が、北の大地で大仕事をしそうだ。
頼れるパートナーと高みを目指す。デビュー3年目の古川奈騎手がクイーンSで現役女性騎手としては藤田、今村、永島に続いて4人目のJRA重賞デビューを迎える。
「本当にありがたいことです。自分に(重賞騎乗に)見合う実力があると思っていませんが、大きな挑戦をさせてもらえる以上、自信を持って乗りたい」
札幌ではまだ2着が最高で勝っていないが、謙虚にその立場を受け止めつつ、強い気持ちを失わずに臨めるのは、パートナーとの不思議な縁からだ。
「けがをして手術から復帰して最初に勝てた(2021年11月21日東京3R)のも、初めて特別レースを勝った(22年粟島特別)のもこの馬。いろんな経験をさせてもらっているので、初めての重賞でも心強さはあります」と、節目節目で喜びを分かち合った相棒に強い絆を感じ取る。
スマートフォンの不適切利用で騎乗停止となった5月には、師匠の矢作調教師のサポートで大井競馬場での調教に参加。午前2時半の調教開始から多い日には18頭もの調教にまたがった。「体力もついたと思いますし〝大井では18頭も乗っていたんだから〟と、気持ち的な支えにもなっています」と貴重な経験に感謝。6月からの函館競馬では【3・8・1・37】、連対率22・4%と一線級のジョッキーを相手に上位をにぎわす場面も増えた。勝利数も今年はすでに自己最多の13勝。GⅠ騎乗が可能になる通算31勝にもあと1勝に迫った。
いざ大舞台へ。2戦ぶりにコンビを組むグランスラムアスクには21日の1週前追い切り(札幌ダ5ハロン67秒6)で久々に感触を味わった。「追い切りでしまい甘くなるのはいつものこと。競馬で伸び伸び走れれば最後まで頑張ってくれます。去年よりだいぶ力をつけていますし、不安より楽しみのほうが大きいです」。培った絆と自信を胸に秘め、人馬そろって夏の新女王へと駆け上がる。(内海裕介)
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