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第61回毎日王冠(10日、東京11R、GII、3歳上オープン国際、別定、芝1800メートル、1着本賞金6500万円=出走10頭)福永祐一騎乗で6番人気のアリゼオが直線で内を突いて伸び、8番人気エイシンアポロンとの接戦をハナ差かわしてV。オグリキャップ(今年7月3日に25歳で死去)以来22年ぶりに3歳馬が毎日王冠を制した。1分46秒4(稍重)。3着に9番人気ネヴァブションが入り、3連単は31万馬券の波乱。1番人気ペルーサは出遅れが響き5着。メンバー唯一のGI馬ショウワモダンは9着に終わった。
あのオグリキャップ以来、22年ぶりとなる3歳馬のV。しかし、優勝は1番人気ペルーサではなく、6番人気の伏兵アリゼオだった。エイシンアポロンとの3歳馬同士による激戦をハナ差制して歓喜のゴール。菊花賞と決別した成果を、しっかりとつかんだ。
「最後の1完歩でギリギリかわせたかな、と思いました。控える形で勝てたのは大きいですね」
実戦では初騎乗となった福永祐一騎手が、会心のVを笑顔で振り返る。逃げ先行のイメージが強かったアリゼオとは、1週前追い切りで初顔合わせ。「思ったよりも抑えが利きそうだと思ったけど、実戦では2、3番手の競馬になると思っていました」。しかし、実戦は想像通りに運ばない。両サイドの馬が前に行くと、行き脚がつかず、馬ごみでの競馬を強いられた。慣れない競馬に反抗して掛かる場面もあったが、腹を決めて待機策。この決断が功を奏した。
「3コーナーで馬が納得して、そこからはいいリズムで走ってくれました。直線はバラけるだろうし、空いたところに行けばいいかな、と」
ポッカリと空いたインを突いて、粘り込みを図るエイシンアポロンを捕らえたところがゴール。ペルーサが出遅れて5着に敗れる中、代わって3歳馬の存在感を示した。ユーイチも、前週のシリウスS(キングスエンブレム)に続く2週連続重賞V。絶好のリズムでGIシリーズに突入する。
アリゼオの今後は未定だが、天皇賞・秋(31日、東京、GI、芝2000メートル)に向かえば、父シンボリクリスエス(02年)に続く父子3歳制覇の夢がある。マイル路線に向かっても可能性を感じる結果だ。「ああいう競馬をしたのは初めてだし、次はもっといいかもしれません。収穫のある内容でした」とユーイチも将来性を高く評価。アリゼオの動向は、秋のGI戦線で大きな注目を集めそうだ。(黒田栄一郎)
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