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【山崎エリカのダートグレード攻略】~関東オークス2021~

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【山崎エリカのダートグレード攻略】~関東オークス2021~ | コラム | ウマニティ

 3歳牝馬限定の唯一のダートグレードとなる関東オークス。関東オークスは、2012年に川崎のアスカリーブルが中央の強豪を抑えて優勝するなど、地方馬の活躍が目立つ。2016年は船橋のミスミランダー(7番人気)が2着に食い込んで波乱。2018年も川崎のゴールドパテック(5番人気)、大井のクレイジーアクセル(3番人気)が2着、3着に食い込み、昨年も船橋のアクアリーブル(4番人気)が2着と好走した。

 地方馬のこのレースでの成績は、過去10年で1着1回、2着4回、3着6回。中央馬が1~3着を独占した年は、2013年しかない。中央馬の活躍ばかりが目につくダートグレードで、地方馬のこの成績は驚くほど優秀だ。これは地方競馬が牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進を目的として、2010年よりグランダムジャパン(対象レースの競走成績に応じてポイントを付与し、上位3頭の地方馬はボーナスがもらえる)を開催するなど、牝馬の番組が充実していることが一番の理由だろう。

 現在のグランダムジャパンの3歳シーズン対象レースは、最終戦の関東オークスを除くと、桜花賞(浦和)、若草賞(名古屋)、ル・プランタン賞(佐賀)、東海クイーンカップ(名古屋)、留守杯日高賞(水沢)、東京プリンセス賞(大井)、のじぎく賞(園田)の計7レース。地区にもよるが、成長合戦の3歳戦らしく、後半戦になるにつれてレベルが高くなる傾向がある。実際に過去10年で連対した地方馬5頭中4頭は、東京プリンセス賞で3着以内の馬か、のじぎく賞の勝ち馬だ。

 特に東京プリンセス賞組は有力で、2012年のこのレースの優勝馬アスカリーブルは同レースを圧勝した馬。2018年のこのレースの2着馬ゴールドパテックは同レース3着、昨年の2着馬アクアリーブルは同レースの優勝馬だ。他、このレース3着のマニエリスム(2011年)、シラヤマヒメ(2012年)、ステップオブダンス(2016年)、トーセンガーネット(2019年)も東京プリンセス賞で3着以内だった馬。東京プリンセス賞組は4着以下からも巻き返して来る場合もあるが、それらは3着までが精一杯。あくまでも連対馬を狙うのであれば、東京プリンセス賞3着以内までに絞ったほうがいいだろう。

 さらに南関東の桜花賞と東京プリンセス賞を連覇した馬に限れば、過去10年の成績は【0・1・1・0】と複勝率100%を誇る。2着の該当馬は、昨年の2着馬アクアリーブル、3着の該当馬はトーセンガーネット。遡れば2006年に桜花賞と東京プリンセス賞を連覇したチャームアスリープも、このレースを制している。つまり、桜花賞と東京プリンセス賞を連覇した馬は、中央馬が相手でも十分勝負になるということ。

 また、地方馬でありながらこのレースで連対した5頭中1頭は、2016年のミスミランダ―(7番人気)。同馬はグランダムジャパンの3歳シーズンの対象レースには出走していなかった馬。デビューから短い距離を主体に使われ、ダ1700m戦までの距離経験しかなかった馬だ。このタイプは2010年のハーミア(4番人気)も同じ。このような隠れステイヤータイプが、関東オークスの最強穴パターンとなっている。

 対して、関東オークスで連対した中央馬の15頭は、前走の兵庫チャンピオンシップで3着以内だった馬が3頭、前走のオープン特別で5着以内だった馬が6頭、未勝利→1勝クラス(旧500万下)が2頭、前走クラッシック路線馬で1頭(初ダート)。他では、2016年のタイニーダンサーが近2走のオープン6着以下から巻き返しているが、同馬は前年のエーデルワイス賞と北海道2歳優駿を連勝した実績馬。不振から復活する形での優勝だった。また、2019年のハービンマオは、前走500万下では9着に敗れているが、初ダートの前々走の未勝利戦では0.9秒差の圧勝を収めていた。

 つまり、ダートグレードを優勝したことのない、前走オープン特別6着以下の馬や、1勝クラスを何戦かして前走1勝クラスをやっと勝ったような馬は、狙いにくいことになる。実際に2017年に前走の青竜Sの7着馬サクレエクスプレスがこのレースでは2番人気に支持あれたが、結果は6着だった。また、2016年には500万下を2戦して前走500万下を0.2秒差で勝利したブライトリビングが3番人気に支持されたが、結果は5着だ。このように前走オープン特別で6着以下の馬や1勝クラスを辛勝した馬は、人気に応えられていない。むしろ消してこそ馬券妙味だろう。

 また、初ダートの馬も確かに2011年のピュアオパールのように、連対することもあるが、2015年のアルビアーノのように断然の1番人気でコケることも多々ある。このあたりも嫌って妙味。2014年にこのレースで7馬身差の圧勝Vを決めたエスメラルディーナでさえも、初ダートの兵庫チャンピオンシップでは、断然人気に応えられずに3着に凡退している。

 では、逆に中央馬ではどのタイプを狙えばいいのかというと、一番は前走の兵庫チャンピオンシップで3着以内の馬だ。このタイプは滅多に出走してこないが、2014年のエスメラルディーナ(1着)、2015年のポムフィリア(2着)、2017年のクイーンマンボ(1着)、遡れば2006年のグレイスティアラも2着だ。第1回兵庫チャンピオンシップまで遡っても、兵庫チャンピオンシップで3着以内の馬は、このレースで連対率100%を誇る。

 さらに牝馬ながら前走中央のダ1700m以上のオープンで5着以内の実績がある馬。このレースでの成績は、過去10年で【3・1・0・0】。1着の該当馬は2013年のアムールブリエ、2019年のラインカリーナ、昨年のレーヌブランシュだ。2着の該当馬は2019年のマドラスチェック。遡れば、2009年のこのレースの覇者ラヴェリータも、前記に該当している。

 しかし、有力なのは前走中央のダ1700m以上ばかりではなく、前走のダ1600m以下のオープン特別で5着以内の実績がある馬も有力。その成績は【2・1・0・1】だ。1着の該当馬は2010年のカラフルデイズ、2015年のホワイトフーガ、2着の該当馬は2012年サトノジョリーだ。2016年のディーズプラネットこそ4着に敗れているものの、前走のオープンで5着以内の馬は信頼できるだろう。


 まとめるとこうなる!

 ●本命候補
 ・前走の兵庫チャンピオンシップで3着以内の馬。
 ・前走で中央オープンに出走し、5着以内だった馬。
  (前走がダ1700m以上だと、より信頼できる)
 ・南関の桜花賞、東京プリンセス賞を連覇した馬。

 ●穴馬候補
 ・東京プリンセス賞で3着以内の馬。
 ・のじぎく賞の勝ち馬。
 ・距離1800m以上が未経験の地方馬。

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