2021年4月25日()シャティン競馬場 芝2000m

レース結果 ~クイーンエリザベス2世カップ 2021~

  • 出走予定馬
  • 出馬表
  • レース結果



馬名 性齢 負担重量
(kg)
騎手 調教師 オッズ 人気
1 7 5    ラヴズオンリーユー 牝5 55.5 C.ホー 矢作芳人 5.5 3
2 1 7    グローリーヴェイズ 牡6 57.0 K.ティータン 尾関知人 4.1 2
3 6 1    デアリングタクト 牝4 55.5 松山弘平 杉山晴紀 1.7 1
4 4 3    キセキ 牡7 57.0 C.スコフィールド 辻野泰之 14.5 5
5 2 2    エグザルタント セ7 57.0 Z.パートン A.クルーズ 7.8 4
6 3 6    グロリアスドラゴン セ6 57.0 M.プーン K.ルイ 17.8 6
7 5 4    タイムワープ セ8 57.0 J.モレイラ A.クルーズ 61.7 7

■払戻金

単勝7 550円
複勝7 250円
1 240円
馬連1-7 1,150円
ワイド1-7 290円
6-7 170円
1-6 180円
馬単7-1 2,290円
3連複1-6-7 370円
3連単7-1-6 4,330円

予想一覧を見る

会員登録(無料)すると予想を登録して予想コロシアム(予想大会)に参加できます。

※レース結果・払戻金・オッズなどのデータは、必ず主催者(JRA)発行のものと照合してください。

最新出走予定馬情報 ~クイーンエリザベス2世カップ 2021~

 【香港25日】香港チャンピオンズデーが25日、シャティン競馬場で行われ、クイーンエリザベスIICは、3番人気のラヴズオンリーユー(栗・矢作、牝5)が直線で抜け出して、2019年オークス以来となるGI2勝目。同レースは日本馬が1着から4着を独占した。

 一昨年のオークス馬が香港で完全復活を遂げた。ラヴズオンリーユーが、ラスト1ハロンでの競り合いを抜け出し、日本馬3頭を従えてのトップゴール。手綱を任された香港のホー騎手は、両手でハートマークを作り、馬上で喜びを表現した。

 「こっちにきてからも状態が良かったですし、馬が頑張ってくれました。ドバイでのレース(シーマC3着)をみると、レベルが高かったですからね」

 6ハロン通過が1分15秒45というゆったりとしたペースのなか、中団の外めをリラックスして追走。3コーナーからスパートを開始すると、4コーナーでは馬群の外を回って直線へ向いた。内で食い下がるデアリングタクト、外から猛追するグローリーヴェイズをしのいでGI2勝目をゲット。全兄リアルスティールドバイターフ)に続いての海外GI制覇となった。

 日本で観戦した矢作調教師は「さすがに声が出たな(笑)。本当に強かったと思います。スタッフと馬が頑張ってくれた。それに感謝しています」と感慨深げ。レース前にホー騎手から「デアリングタクトを閉じ込めたい」との進言もあったが、トレーナーは「ペースはそんなに速くならないと思うので、自分のペースで競馬してくれ」と指示し、イメージ通りのレースで勝利を獲得だ。

 4連勝で一昨年のオークスを制したあとは勝ち星から見放されたが、今年の京都記念で1年9カ月ぶりのV。その後、ドバイシーマクラシック3着を経ての参戦。「なかなかドバイから香港に転戦して、今までうまくいった例がないので、それを切り開けたというのは良かった」とトレーナーは語った。

 今後については「春に使うとするならば、宝塚記念(6月27日、阪神、GI、芝2200メートル)になると思うけど、それは帰ってきてからの馬の状態と相談してからになると思います」とコメント。香港の地で復活の舞を演じ、次なる野望へとつき進んでいく。

 ■ラヴズオンリーユー 父ディープインパクト、母ラヴズオンリーミー、母の父ストームキャット。鹿毛の牝5歳。栗東・矢作芳人厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主はDMMドリームクラブ(株)。戦績は13戦6勝。重賞は2019年GIオークス、21年GII京都記念に次いで3勝目。クイーンエリザベスIICは矢作芳人調教師、ヴィンセント・ホー騎手ともに初勝利。馬名は「みんなへの愛を込めて」。母名より連想。

【香港QEIIカップ】グローリー末脚伸ばして2着04月26日(月) 04:59

 【香港25日】香港チャンピオンズデーが25日、シャティン競馬場で行われ、クイーンエリザベスIICは、3番人気のラヴズオンリーユー(栗・矢作、牝5)が直線で抜け出して、2019年オークス以来となるGI2勝目。同レースは日本馬が1着から4着を独占した。

 後方待機のグローリーヴェイズは、外々を回って末脚を伸ばして2着になった。K・ティータン騎手は、「いいレースだったと思います。最後の直線では、いい脚を使ってくれました」とコメント。尾関調教師は「想定外のスローペースだったことを考慮すると、これが痛かったといえるかもしれません。悔しさは残りますが、負けて強しの競馬を見せてくれました」とうなずいた。

[もっと見る]

【香港QEIIカップ】1番人気デアリング伸びきれず3着04月26日(月) 04:58

 【香港25日】香港チャンピオンズデーが25日、シャティン競馬場で行われ、クイーンエリザベスIICは、3番人気のラヴズオンリーユー(栗・矢作、牝5)が直線で抜け出して、2019年オークス以来となるGI2勝目。同レースは日本馬が1着から4着を独占した。

 初の海外遠征だった1番人気のデアリングタクトは3着に敗れた。3番手追走といつもより前めの位置取りだったが、身上の鋭い伸びは見せられなかった。

 松山騎手は「いつも通り、いい走りをしてくれたと思います。ただ1番人気に支持していただいたのに、結果として負けてしまい申し訳なく思っています。敗因はちょっとわからないですが、勝った馬が強かったです」と勝ち馬をたたえた。日本で観戦した杉山晴調教師は「様子を見ながらですが、状態次第で宝塚記念を目指したいと思います」とコメントした。

[もっと見る]

【香港QEIIカップ】キセキ4着、父子制覇ならず04月26日(月) 04:57

 【香港25日】香港チャンピオンズデーが25日、シャティン競馬場で行われ、クイーンエリザベスIICは、3番人気のラヴズオンリーユー(栗・矢作、牝5)が直線で抜け出して、2019年オークス以来となるGI2勝目。同レースは日本馬が1着から4着を独占した。

 親子制覇(父ルーラーシップ)を目指したキセキは、スタートでの出遅れも響いて4着だった。C・スコフィールド騎手は「出遅れてしまって道中は中団に付けるしかありませんでした。ペースがスローで彼には展開が向きませんでした」と肩を落とした。

 辻野調教師は「道中はリズムよく運んでくれました。でも早めに隊列が決まってペースが上がらず、最後は切れ負けしてしまいました」と唇をかんだ。今後は、状態次第で宝塚記念を視野に入れる。

[もっと見る]

【香港QEIIカップ】19年オークス馬ラヴズオンリーユーが戴冠04月25日() 17:59

 4月25日の香港・シャティン8R・第47回クイーンエリザベス2世カップ(GI、3歳以上、芝・右2000メートル、1着賞金1425万香港ドル=約1億9950万円)は、7頭立てで行われ、日本調教馬が上位を独占した。

 優勝したのはC.Y.ホー騎手騎乗の3番人気ラヴズオンリーユー(牝5歳、栗東・矢作芳人厩舎)。4番手追走から直線は外めを伸びて快勝。タイムは2分1秒22(良)。ラヴズオンリーユーは通算成績13戦6勝、2019年オークス・GI、2021年京都記念・GIIに次いで重賞は3勝目。

 3/4馬身差の2着には大外から追い込んだ2番人気のグローリーヴェイズ(牡6歳、美浦・尾関知人厩舎、K.ティータン騎手)、3着には内めを伸びた1番人気のデアリングタクト(牝4歳、栗東・杉山晴紀厩舎、松山弘平騎手)。4着は後方から差を詰めたキセキ(牡7歳、栗東・辻野泰之厩舎、C.スコフィールド騎手)。

[もっと見る]

【クイーンエリザベス2世カップ】日本馬の近況(4/24)04月24日() 16:25

4月25日(日曜)に香港のシャティン競馬場で行われるクイーンエリザベス2世カップに出走予定の日本馬の調教状況および関係者のコメントは以下の通り。

キセキ
○本日の調教状況
シャティン競馬場
角馬場→オールウェザーコース(キャンター 1周半)
清山 宏明調教助手騎乗

○清山 宏明調教助手のコメント
気持ちも乗っており、変わりなくきています。良い状態で送り出せそうです。


グローリーヴェイズ
○本日の調教状況
シャティン競馬場
角馬場→オールウェザーコース(キャンター 1周半)→パドックスクーリング
竹内 覚調教助手騎乗

○竹内 覚調教助手のコメント
追い切りも順調です。良い状態でレースに臨めそうです。


デアリングタクト
○本日の調教状況
シャティン競馬場
角馬場→オールウェザーコース(キャンター 1周)
松山 弘平騎手騎乗

○松山 弘平騎手のコメント
ここまで順調にきており問題ありません。上手く調整できたと思います。


ラヴズオンリーユー
○本日の調教状況
シャティン競馬場
角馬場で調整

○岡 勇策調教助手のコメント
馬場に入れる予定でしたが、十分に馬体も仕上がっていますし、暑い時間帯に無理する必要もないので、今日は早朝に角馬場で調整しました。香港に来た当初より力強さが増しており、非常に楽しみです。

(JRA発表)

[もっと見る]

【クイーンエリザベス2世カップ】日本馬の近況(4/23)04月24日() 10:00

4月25日(日曜)に香港のシャティン競馬場で行われるクイーンエリザベス2世カップに出走予定の日本馬の調教状況および関係者のコメントは以下の通り。

キセキ
○本日の調教状況
シャティン競馬場
角馬場→オールウェザーコース(キャンター 1周半)→ゲート練習
C.スコフィールド騎手騎乗

○C.スコフィールド騎手のコメント
今日は軽めの調整でした。ゲートでは3回出し入れしましたが、嫌がるところは全くありませんでした。とてもリラックスしていて、コンディションは完璧です。


グローリーヴェイズ
○本日の調教状況
シャティン競馬場
角馬場で乗り運動(常歩・速歩で60分)→ゲート練習
竹内 覚調教助手騎乗

○竹内 覚調教助手のコメント
隣の馬がゲートボーイを付けるようなので、対策として駐立の練習をしましたが、問題ありませんでした。


デアリングタクト
○本日の調教状況
シャティン競馬場
角馬場→オールウェザーコース(キャンター 1周)→ゲート練習
松山 弘平騎手騎乗

○松山 弘平騎手のコメント
変わらず良い状態をキープしています。ゲート練習も落ち着いていました。明日も私が乗ってオールウェザーコースに出る予定です。


ラヴズオンリーユー
○本日の調教状況
シャティン競馬場
角馬場で調整

○岡 勇策調教助手のコメント
水曜日の追い切り後から、良い意味で競馬モードになった気がします。雰囲気も良くなってきました。明日はオールウェザーコースで調整する予定です。

(JRA発表)

[もっと見る]

【クイーンエリザベス2世カップ】日本馬の近況(4/22)04月23日(金) 11:55

4月25日(日曜)に香港のシャティン競馬場で行われるクイーンエリザベス2世カップに出走予定の日本馬の調教状況および関係者のコメントは以下の通り。

キセキ
○本日の調教状況
シャティン競馬場
角馬場で曳き運動(1時間)

○清山 宏明調教助手のコメント
歴戦の古馬ですし、環境にも慣れてきて十分に落ち着いています。オンとオフの切り替えができているのは良いですね。明日からまたコースに入れる予定です。

○枠順について:ゲート3番 辻野 泰之調教師
少頭数なので枠はどの枠に入っても影響はないと思っていました。むしろ隣の4番に逃げ馬のタイムワープが入ったのがどう出るか、ですね。明日、ジョッキーに乗ってもらい、ゲートまで行って状態は確認するつもりです。


グローリーヴェイズ
○本日の調教状況
シャティン競馬場
角馬場→芝コース(追い切り 5ハロン)
K.ティータン騎手騎乗
注記:調教時計 52.9(4F)-24.8(2F)

○K.ティータン騎手のコメント
本日は軽めに追い切りましたが、背中から伝わる感触が良い馬で、とても良い状態にあると感じました。香港には2度目の遠征となるので、馬もリラックスして落ち着きがあります。日曜日は良い走りを見せることができると思います。

○尾関 知人調教師のコメント
非常に良い動きで、しなやかなフットワークでした。性格的な面もありますが、香港は2度目ですし昨日も芝コースに出ているので、精神的に安定しています。前々走のジャパンカップはハイペースで、前走の金鯱賞も2,000メートルだったので、距離は対応できると考えています。2019年に香港ヴァーズを勝った時よりも筋肉が増えており、馬体的にも2,000メートル仕様になっていると思います。明日以降は微調整程度に留める予定です。枠順(ゲート7番)については、大外ですが少頭数なので特に気にしていません。騎手と作戦を考えたいと思います。


デアリングタクト
○本日の調教状況
シャティン競馬場
角馬場で乗り運動(常歩で1時間)
松山 弘平騎手騎乗

○松山 弘平騎手のコメント
特に疲れも見られず、リラックスできています。問題なく来ていると思います。枠順(ゲート1番)については、(2019年の同レースを)ウインブライトが同じ1番枠から勝っていますし、縁起の良い枠だと思います。


ラヴズオンリーユー
○本日の調教状況
シャティン競馬場
角馬場で曳き運動(1時間)

○岡 勇策調教助手のコメント
昨日の追い切り後も問題なく順調です。この調子でレースまでいってもらいたいです。

○枠順について:ゲート5番 矢作 芳人調教師
内が有利な競馬場だと思いますが、7頭立てということもあり気にしていません。逃げ馬でもありませんので何も問題ありません。

注記:芝コース(1周):1,899メートル、オールウェザーコース(1周):1,555メートル
注記:調教時計は香港JC発表のもの

(JRA発表)

[もっと見る]

【クイーンエリザベス2世カップ】日本馬の近況(4/21)04月21日(水) 19:00

4月25日(日曜)に香港のシャティン競馬場で行われるクイーンエリザベス2世カップに出走予定の日本馬の調教状況および関係者のコメントは以下の通り。


キセキ
○本日の調教状況
シャティン競馬場
角馬場→芝コース(追い切り 5ハロン)
C.スコフィールド騎手騎乗
注記:調教時計 52.6(4F)-23.8(2F)

○C.スコフィールド騎手のコメント
とても良かったです。雄大で美しいフォームで走りますね。ラスト1ハロンは強めに追ってみたのですが、馬場も合っていると思います。


グローリーヴェイズ
○本日の調教状況
シャティン競馬場
角馬場→芝コース(キャンター 1周半)
竹内 覚調教助手騎乗

○竹内 覚調教助手のコメント
芝コースでも上手に走れていました。明日はK.ティータン騎手で追い切りを行う予定です。


デアリングタクト
○本日の調教状況
シャティン競馬場
角馬場→芝コース(追い切り 4ハロン)
松山 弘平騎手騎乗
注記:調教時計 54.2(4F)-25.0(2F)

○松山 弘平騎手のコメント
日本でしっかりやっていたので、今日は馬なりで、リズムを重視しました。動きは問題ありません。この2日間はリラックスできていると思います。


ラヴズオンリーユー
○本日の調教状況
シャティン競馬場
角馬場→芝コース(追い切り 4ハロン)
岡 勇策調教助手騎乗
注記:調教時計 51.7(4F)-23.6(2F)

○岡 勇策調教助手のコメント
無事追い切りを終えて、順調に来ています。ドバイでしっかりやっているので、今日は無理しない程度にさらっと流しました。

※注記:調教時計は香港JC発表のもの

(JRA発表)

[もっと見る]

【クイーンエリザベス2世カップ】日本馬の近況(4/20)04月21日(水) 11:00

4月25日(日曜)に香港のシャティン競馬場で行われるクイーンエリザベス2世カップに出走予定の日本馬の調教状況および関係者のコメントは以下の通り。


キセキ
○本日の調教状況
シャティン競馬場
角馬場→オールウェザーコース(キャンター 1周)
清山 宏明調教助手騎乗

○清山 宏明調教助手のコメント
馬場に入ると気負う面はありますが、それは彼の特徴なので、日々順調にきていると思います。


グローリーヴェイズ
○本日の調教状況
シャティン競馬場
角馬場→オールウェザーコース(キャンター 1周半)
竹内 覚調教助手騎乗

○竹内 覚調教助手のコメント
順調の一言です。


デアリングタクト
○本日の調教状況
シャティン競馬場
角馬場→オールウェザーコース(キャンター 1周)
松山 弘平騎手騎乗

○松山 弘平騎手のコメント
日曜日までは入れ込んでいましたが、環境にも慣れてきたのか今日は落ち着いており、雰囲気も良くなってきました。このままいければ問題ないと思います。


ラヴズオンリーユー
○本日の調教状況
シャティン競馬場
角馬場→オールウェザーコース(キャンター 1周半)
岡 勇策調教助手騎乗

○岡 勇策調教助手のコメント
落ち着いていて、日本にいるときと変わりません。

(JRA発表)

[もっと見る]

⇒もっと見る

厳選コラム ~クイーンエリザベス2世カップ 2021~

香港競馬春の祭典チャンピオンズデーのメインレースは、言わずと知れたクイーンエリザベス2世カップです。このレースはイギリス植民地時代の1975年に創設。1995年に国際競走となり、1997年から現在の2000mとなりました。日本勢得意の中距離戦とあって日本馬の挑戦は1995年フジヤマケンザンに始まります。日本馬が長く海外で活躍できなかった時代のことです。そして日本勢海外飛躍の跳躍台となります。香港返還を目前に控えた1997年にはオークス馬、ダンスパートナーも遠征。2002年には香港横綱エイシンプレストン、芝砂兼用のアグネスデジタルが日本勢初のワン・ツー・フィニッシュと決め、エイシンプレストンは翌2003年も連覇を成し遂げました。この両レースとも香港で観戦、大いに盛り上がり大いに儲けたものでした。
その後も日本馬の活躍は続き、2012年ルーラーシップ、2017年ネオリアリズム、2019年ウインブライトが勝利を挙げています。日本馬が海外で最も多く出走し、最も多くの勝ち星を挙げているレースで日本勢の金城湯池とも言えます。

さて、今年QEIIカップには昨年の三冠牝馬デアリングタクトオークスラヴズオンリーユー菊花賞キセキ、昨年の香港ヴァーズ覇者グローリーヴェイズのG1ホース4頭が轡を並べて香港へと渡りました。これまでの遠征日本馬でレベル、層の厚さとも屈指といえます。日本馬同様に中距離を得意とする欧州勢はコロナ禍もあって今年は姿を見せず、迎え撃つ香港勢は年度代表馬エグザルタントら3頭だけ。一昨年の幻の三冠馬フローレも直前に回避して出走馬の数でも日本勢が上回り、日本勢上位独占の可能性が極めて濃厚になっています。

中でも最も注目しなくてはならないのが一昨日もお伝えしましたが、ラヴズオンリーユーです。香港競馬史上最強馬の呼び声も高いゴールデンシックスティーズを昨年の4歳クラシック三冠馬に導いた売り出し中の香港若手騎手の星、ヴィンセント・ホーが手綱を取ることになったのです。

彼の騎乗に当たっては香港ジョッキークラブで日本人唯一のエクスパートライダー、亀田一洋さんが馬主サイドからの問い合わせを受け、ヴィンセントを推薦したことがきっかけでした。日本馬は既に香港に到着し順調に調教をこなしていますが、亀田さんによれば、連日デアリングタクトを従えて馬場入りするラヴズオンリーユーの姿は余裕綽々、ドバイ遠征の経験もある彼女が初の海外遠征の妹分を先導しているようにしか見えないといいます。どの馬に騎乗したいか問われれば、あんな素直な馬は見たことがない、間違いなくラヴズオンリーユー以外にないとまで惚れ込んでいました。

妹分の三冠牝馬デアリングタクトですが、昨年のジャパンカップアーモンドアイコントレイルに後れを取ったものの堂々の3着。香港への送別レースとなった金鯱賞では圧倒的1番人気に押されながら道悪を逃げ切ったギベオンに勝たれてしまいましたが、実力は十分に見せつけました。金鯱賞を叩いて状態は万全とみていいようです。ラヴズオンリーユーとの比較では、いずれ菖蒲か杜若。鞍上も松山弘平とヴィンセント・ホー、日本と香港売り出し中の若手騎手競演です。現時点では海外遠征経験、亀田さんの観察から現時点ではラヴズオンリーユーを上に見ていますが、どちらを上位に取るべきか最後の最後まで迷わざるを得ません。

グローリーヴェイズは一昨年の香港ヴァーズで悲願のG1タイトルを手にしました。帰国後も京都大賞典優勝、ジャパンカップでも早めに仕掛けて勝ちに出て僅差の5着。壮行レースの金鯱賞は得意距離よりも若干短い2000mながら0.1秒差の4着。デアリングタクト同様、ここを叩いてさらに上昇、万全で本番に臨むことができました。敵は一昨年の香港ヴァーズよりも400m短くなった距離だけです。2017年の菊花賞キセキはG1戦線で力を見せつけながら勝ち星から見放されて既に3年半。名伯楽角居勝彦調教師の引退で3月には新生辻野泰之厩舎に転籍。今回は香港所属のC.スコフィールド騎手に手変わりします。この馬の問題は気性難とゲート、新たな調教師、騎手のコンビがキセキの2つの問題を克服し新たな一面を引き出してくれることに期待が高まります。

さて、迎え撃つ香港勢ですが、年度代表馬エグザルタントが総大将です。確勝を期して出走した一昨年の香港ヴァーズではグローリーヴェイズに名を成さしめられ、その雪辱の一戦となります。しかし、今季は4走連続2着と勝ち星に見放され、昨年12月、得意の2400m戦の香港ヴァーズではホームの利がありながらモーグルの2着と敗れています。前走の2000m戦、香港ゴールドカップではゴールデンシックスティーズと対決。ともに得意距離から400m異なる舞台で、ゴールデンに敗れたばかりか同厩のフローレにも1馬身1/4後れを取ってしまいました。騙馬ですので7歳とはいえ年齢的な衰えを云々する段階ではありませんが、一時期の力と勢いにないことが危惧されます。しかしながら香港年度代表馬、恥ずかしい競馬をすることは想像できず、馬券圏内から消し去ることは無謀といえましょう。

エグザルタントと同厩のタイムワープは香港のエリモジョージ、気まぐれな逃げ馬ですが、年齢的な衰えもあって昨今は直線で足を失うばかり。こちらよりはゴールデンシックスティーズを要するK.ルイ厩舎の新星、グロリアスドラゴンに魅力を感じます。今季、1800m戦のセンテナリーヴァーズでエグザルタントを2着に下し、4/5のクラスⅠの2000m戦でもトップハンデで快勝。クラスⅠは日本で言えばリステッド競走、昔のいい方なら平場のオープンです。日本ではかつて大本番の前に前哨戦の重賞ではなく平場のオープンから大本番で飛躍する名馬が数多く見られましたが、そんな匂いを感じるローテーション。当日の様子次第ですが、エグザルタントよりも上位に考える必要も出てくるかもしれません。

7頭の少頭数、上位人気は日本勢4頭に集まることは間違いなく、ラヴズオンリーユーデアリングタクトの日本牝馬2頭を軸に3連単、そして4連単馬券で勝負しなければなりません。明日日曜には渾身の予想をお届けします。お楽しみに!


甘粕代三(あまかす・だいぞう)プロフィール
1960年、東京生まれ。高校時代から競馬にのめりこむ。
早稲田大学第一文学部卒。在学中に中国政府官費留学生。卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者、同ディレクター、同台北開設支局長などを務める。
中国留学中に香港競馬を初観戦、94年ミッドナイトベット香港カップ制覇に立ち会ったことから香港の競馬にものめりこみ、2010年、売文業に転じた後は軸足を日本から香港に。
香港の競馬新聞『新報馬簿』『新報馬経』に執筆、テレビの競馬番組にも出演。現在、香港アップルデイリー日本特約記者、北京市馬術運動協会高級顧問を務める。

過去10年の結果 ~クイーンエリザベス2世カップ 2021~

開催日 勝ち馬 性齢 調教国 タイム 騎手 調教師
2020/04/26 エグザルタント セ6 香港 2.00.00 Z.パートン A.S.クルーズ
2019/04/28 ウインブライト 牡5 日本 1.58.81 松岡正海 畠山吉宏
2018/04/29 パキスタンスター セ5 香港 2.00.21 W.ビュイック A.S.クルーズ
2017/04/30 ネオリアリズム 牡6 日本 2:04.59 J.モレイラ 堀宣行
2016/04/24 ワーザー セ4 香港 2:01.3 H.ボウマン J.ムーア
2015/04/26 Blazing Speed セ6 香港 2.02.9 N.Callan A.Cruz
2014/04/27 Designs on Rome セ4 香港 2.01.1 T.Berry J.Moore
2013/04/28 Military Attack セ5 香港 2.02.1 T.Berry J.Moore
2012/04/29 ルーラーシップ 牡5 日本 2.02.4 U.リスポリ 角居勝彦
2011/05/01 Ambitious Dragon セ4 香港 2.02.2 D.Whyte A.Millard

歴史・概要 ~クイーンエリザベス2世カップ 2021~

挑戦した日本馬 ~クイーンエリザベス2世カップ 2021~

エイシンプレストン 1着(2001年)
血統
父:Green Dancer
母:Warranty Applied(Monteverdi)
成績
32戦10勝
4億9106万円+2460万香港ドル
主な勝ち鞍
香港マイル(GI)
クイーンエリザベスC(GI)
朝日杯FS(GI)
香港で掴んだ栄光

 デビューから引退まですべて主戦である福永祐一が騎乗し、1999年の朝日杯3歳Sを制して最優秀3歳牡馬に輝き、のちに香港競馬でGI3勝をあげたエイシンプレストン。
 デビュー戦こそ2着に敗れたが、折り返しの新馬戦を勝利すると朝日杯3歳ステークス(GI)へ直行し、地方の雄レジェンドハンターを差し切って優勝。その年の最優秀牡馬に選出された。
 翌年もアーリントンC(GIII)、NZT4歳S(GII)と連勝を飾り、NHKマイルカップ(GI)最有力候補に挙がっていたが、骨折が判明し戦線から離脱。復帰後の成績は奮わずスランプ状態に陥ったが、陣営の懸命の努力が実り、米子Sで実に1年2ヶ月ぶりの勝利を飾ると、続く北九州記念(GIII)で重賞を制覇した。
 完全に復活を果たしたエイシンプレストンは毎日王冠(GII)も勝利し、マイルCS(GI)で2着となると香港マイル(GI)に挑戦。現地での評価は低かったが、レースでは直線で外に持ち出されると一気に突き抜ける圧勝劇。1993年のホクセイシプレーの初挑戦以来、8年目にして日本馬の香港マイル(GI)初制覇を見事に飾った。その後は、日本では勝ち星は挙げられなかったものの香港ではクイーンエリザベスC(GI)を連覇するなど、香港GI3勝。とにかく香港競馬に絶対なる適性を持った名馬であった。

施行年馬名性齢騎手調教師着順
1995年フジヤマケンザン牡7蛯名正義森秀行10着
1997年ダンスパートナー牝5四位洋文白井寿昭8着
マイネルブリッジ牡5坂本勝美伊藤正徳9着
2002年エイシンプレストン牡5福永祐一北橋修二1着
アグネスデジタル牡5四位洋文白井寿昭2着
2003年エイシンプレストン牡6福永祐一北橋修二1着
2007年アドマイヤムーン牡4武豊松田博資3着
2008年マツリダゴッホ牡5蛯名正義国枝栄6着
2010年ネヴァブション牡7後藤浩輝伊藤正徳4着
2012年ルーラーシップ牡5U.リスポリ角居勝彦1着
2013年エイシンフラッシュ牡6M.デムーロ藤原英昭3着
2014年エピファネイア牡4福永祐一角居勝彦4着
アンコイルド牡5K.ティータン矢作芳人10着
2016年ラブリーデイ牡6J.モレイラ池江泰寿4着
ヌーヴォレコルト牝5K.ティータン斎藤誠6着
サトノクラウン牡4Z.パートン堀宣行12着
2017年ネオリアリズム牡6J.モレイラ堀宣行1着
2018年アルアイン牡4C.デムーロ池江泰寿5着
ダンビュライト牡4T.ベリー音無秀孝7着
2019年ウインブライト牡5松岡正海畠山吉宏1着
リスグラシュー牝5O.マーフィー矢作芳人5着
ディアドラ牝5武豊橋田満6着
2021年ラヴズオンリーユー牝5C.ホー矢作芳人1着
グローリーヴェイズ牡6K.ティータン尾関知人2着
デアリングタクト牝4松山弘平杉山晴紀3着
キセキ牡7C.スコフィールド辻野泰之4着
2023年プログノーシス牡5Z.パートン中内田充正2着
ダノンザキッド牡5C.ホー安田隆行5着
ジェラルディーナ牝5C.デムーロ斉藤崇史6着