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ドバイ遠征中のGI7勝馬ウオッカ(栗・角居、牝6)の引退が7日、発表された。4日にドバイワールドCの前哨戦に出走(8着)後に鼻出血を発症。関係者は引退レースに予定していたドバイワールドC挑戦を断念した。今後はアイルランドに移動。初年度は昨年の凱旋門賞を制したシーザスターズと種付けを予定。世界制覇の夢は産駒へと託された。
ラストランにドバイワールドカップ(27日、メイダン、GI、オールウェザー2000メートル)を予定していた女傑ウオッカの電撃引退が、正式に決まった。
中山競馬場で会見した角居調教師は、「これから繁殖という仕事もありますから。もう無理をしてはいけないと思いました。今後はいいお母さんになるから牧場に戻ってきたら会いにきてください」と語った。4日のドバイのマクトゥームチャレンジラウンド3に出走(8着)後に鼻出血を発症。昨年のジャパンCと同じ症状だった。谷水雄三オーナーは「引き際が肝心ですから。ファンのいる馬だし、これ以上走らせるのも…」と苦渋の決断を説明した。
ウオッカは64年ぶりの牝馬のダービー制覇(07年)、JRA初の7冠牝馬、牝馬史上初の2年連続年度代表馬(08&09年)に輝いた歴史的名馬。今週中にも遠征先のドバイからアイルランドへ移動。世界的オーナーブリーダー・アガカーン殿下所有のギルタウンスタッドで5~6年ほど繁殖馬として滞在。初年度の交配相手は同牧場で今年から繋養(けいよう)されているシーザスターズ。昨年の凱旋門賞などGI6勝を挙げた欧州チャンピオンホースだ。
「シーザスターズは評判の高い馬で、今年は130頭ほど種付して、そのうち100頭がGIの勝ち馬か、GI馬を出した肌馬(繁殖馬)のようですね。日本の馬ではウオッカだけだと思います。子供は移動が可能になった時点で日本に連れて帰りたい」とオーナーは夢を膨らませる。
早ければ3年後の2013年にも日本でデビューする“13冠ベビー”。母が成し得なかった世界制覇の夢は、産駒がかなえてくれるに違いない。
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