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【東西現場記者走る】“切れ者”アンシェル不気味

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【東西現場記者走る】“切れ者”アンシェル不気味

 1週間の密着取材で勝ち馬を探し出すGI企画で、朝日杯フューチュリティステークスは大阪サンスポのルーキー・山口大輝記者(25)が担当する。連載2日目は、もみじSで鮮やかな差し切りを見せたレッドアンシェルがターゲット。2戦2勝で、未知の可能性を感じさせる。実績では劣るが、陣営は自信たっぷりだ。

 密着2日目は朝、目覚めると嫌な予感が…。宿舎を出て、空を見上げると冷たい雨が降り注いでいた。長靴の用意がなかったため、スニーカーでの“重馬場”取材は足にこたえたが、レッドアンシェル陣営から熱のこもった話を聞くや、疲れも取れていった。

 まずは庄野調教師にストレートを投げてみる。

 「この馬のいいところは?」

 すると即座に“ボール”が返ってきた。

 「体幹がいいよね。走りにブレがない。それでいて、バネもいいものがある」

 さらに担当の久保智助手からも「今回の相手は強いですからね」としながらも、「まだ底をみせていない。レース後も獣医師は『心音が乱れていない』といってました」と、好感触が加えられる。

 デビュー2戦で手綱を取った福永騎手の落馬負傷により、シュミノー騎手に乗り替わる点についても、「操縦性の高い馬ですから問題ないと思います。先週、シュミノー騎手も『イージーホース』と言ってくれた」と全く心配していなかった。武器は「瞬発力となんでもできるところ。雨でも、パンパンの馬場でも大丈夫」と同助手は胸を張った。

 新馬戦は稍重の札幌コース(1500メートル)。好発を決め、道中3番手から4馬身差の圧勝をみせた。続く、もみじSは京都の1400メートルというスピードが問われる条件でも1馬身半差の快勝。初めての距離も「(手綱を取った)福永さんも『マイルぐらいがちょうどいい』といっていました」と死角は少なそうだ。

 相手は強化されるが、不安より楽しみの方が大きい様子。初めてのフルゲートの競馬に関しても庄野調教師は「馬混みに入っても、抑えが利く。あとはうまくさばけるかだけ」と自信をにじませた。

 最後に、馬房にいるレッドアンシェルの鼻面をなでてあげると、遊んでほしいのか、じゃれついてきた。軽くかまれそうになりながらもスキンシップ。レースでは見せない2歳らしさに癒やされたが、まだ2日目。大事な追い切りも控えており、どんどん取材を続けていきたい。 (山口大輝)

★朝日杯フューチュリティSの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載

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