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終わらないオルフェ狂騒曲 またしても事件

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終わらないオルフェ狂騒曲 またしても事件

 お騒がせ怪物クンから、またVが逃げた。25日に東京競馬場で行われた「第32回ジャパンC」(GI、芝2400メートル)は、1番人気オルフェーヴルが、直線で優勝馬ジェンティルドンナに体をぶつけられるアクシデント。凱旋門賞に続き2着に敗れた。あとがない“怒り”のオルフェは年末の有馬記念(12月23日、中山、GI、芝2500メートル)への参戦が濃厚。最強の称号を取り戻すには、有馬記念、そして来年の凱旋門賞を勝つことが命題となった。

 オルフェーヴルにまた“事件”が起こった。凱旋門賞のリベンジ、国内最強を証明するべく臨んだJCで、またも“よもや”の2着。まさしく不運のアクシデントは、ゴール前200メートルあたりで勃発した。

 ハナを切ったビートブラックを外からかわしにいったところ、ビートの後ろにつけていたジェンティルドンナが右側に強引に進路を取り、ビートとオルフェの間を割って出た。その瞬間、体をぶつけられたオルフェが3頭分ほど外に弾かれた。

 「ぶつけられたときは完全に馬体が宙に浮いてしまった。手前も替えてしまったし、あれだけ弾かれたらどんな馬でも失速する」と池江泰寿調教師が言うほどの、トップスピードに乗りかけた場面での痛すぎる不利。何とか軌道修正して追い込んだものの、ハナ差届かず。23分にわたる長い長い審議に“逆転”の望みをかけたが、それも覆ることはなかった。

 40分後に検量室からやっと出てきた池添謙一騎手も、「僕が真っすぐ走っているのに大きな動作でぶつけられた。3、4回ぶつけられて態勢を崩した。これでこの判定は納得できない」と憮然。

 ファンにとっても長時間の審議に加えて、ジェンティルの岩田康誠騎手に、「進路の取り方が強引」と騎乗停止2日間のペナルティーが科されたものだから余計にわかりにくい。

 ある有力ジョッキーも、「あくまでボクの見方だけど降着だと思った。特にハナ差だからねえ。2億5000万円の賞金がかかっているから、制裁を受けても勝てればっていう考え方もあるけど、やられたほうはたまらない。後味が悪いもんだよ」と疑問を呈する。JRAはオルフェの全能力発揮には重大な影響がなかったという見立てだが、本当のところは…。

 今年のオルフェはこれで(2)(11)(1)(2)(2)着。3回の2着は逸走した阪神大賞典、勝ちパターンに持ち込みながら大ヨレした凱旋門賞、そしてJCと“フツー”じゃない。そんな個性も魅力だが、もう不運からは卒業しなければダメ。「判定は僕が決めることじゃないしJRAが(セーフと)判断したなら仕方がない」(池江寿調教師)と切り替えが必要だ。

 もっとも、皮肉なことに連敗でファンには楽しみも出てきた。オーナーサイドから失地回復とばかり、有馬記念参戦のプランが急浮上。来年も現役続行の可能性が高くなった。“第二の馬生”種牡馬入りの噂もチラホラ出ていただけに、土壇場でオルフェ自身が現役続行をアピール(?)したような流れになった。

 種牡馬としての価値を考えても、このままでは終われない。ディープインパクトは同じ4歳で凱旋門賞に挑み敗れた(3位入線→失格)あと、国内史上最高51億円(8500万円×60株)のシンジケートが組まれたが、今の“破天荒な”オルフェにはディープほどの安定感はない。結局、今年の古馬GIが国内1勝(宝塚記念)だけでは良血馬がひしめく種牡馬の世界で説得力に欠ける。

 年度代表馬の座はジェンティルドンナにもっていかれそうだし、あとがないオルフェが“最強”の看板を再び打ち出すには有馬記念で勝つこと。そして来年、「もしチャンスがあれば必ず今年以上の結果が出せる」とトレーナーが言う凱旋門賞で頂点に立つしかない。

 まだしばらくは続くオルフェ狂騒曲。意外な結果ばかりだが、最後は凱旋門賞までぶっこ抜いて“やはり持っていた”というオチになるのか。この先もクセ者オルフェからは目が離せない。

(夕刊フジ)

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