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久々のスプリント戦に対応できるように、坂路&木曜追いで臨むワンカラットは、ラスト1ハロン12秒3と抜群の伸びを披露。パートナーを4馬身も置き去りにして絶好の仕上がりをアピールだ。今年2月のGIII阪急杯で2着と、牡馬相手の重賞で通用することは証明済み。“千二モード”に切り替えて、昨年のGIIフィリーズレビュー以来の重賞2勝目に挑む。
もっかの充実ぶりを示す切れ味を披露した。坂路での併せ馬に臨んだワンカラットが、しまい1ハロン12秒3の伸びで僚馬を一蹴。昨年4月のGIIフィリーズレビュー以来となる勝利に向けて絶好のデキをアピールした。
「具合はメチャクチャいいですね」
騎乗した藤岡佑騎手の第一声も、動きの良さを裏付けるものだった。レッドスパークル(牡3OP)を追走する形での最終追い。前半は脚をためて、残り2ハロン付近でエンジンがかかるとあっという間にレッドに追いつき、一瞬でかわして4馬身の差をつけてフィニッシュ。4ハロンはエラーで計時されなかったが、併せたレッドが4ハロン54秒2だったことを踏まえれば、おそらく53秒前後。ラスト2ハロンは24秒9-12秒3と速いラップを刻んだ。
「53秒で12秒3はかなり速いでしょう。時計ももちろんですが、動きがいいですね。やれば時計は出る馬ですが、予定通りの調教ができました」
見届けた藤岡健調教師も思わずニンマリの好調教。それも、目的を達成できたからだ。水曜にCWコースで追うのがこれまで調教パターンだが、今回は木曜の坂路に切り替えた。「久しぶりの1200メートルに対応させるのが坂路追いの目的で、追った後のテンションを維持して競馬に向かいたいことが木曜追いの理由」とトレーナーは説明。小倉2歳S5着以来、1年9カ月ぶりのスプリント戦に対応できるよう、800メートルの坂路で瞬発力に磨きをかけて、前向きな姿勢で臨めるように追い切りからレースまでの間隔を詰めた。
今年は阪急杯でエーシンフォワードの2着。前走のヴィクトリアマイルは7着ながら、勝ったブエナビスタとはコンマ1秒の僅差だった。「ここでも力負けしないと思います」と藤岡健師が意欲を燃やせば、藤岡佑も「千二は少し忙しいかもしれませんが、例年の中京ではなく、京都ですからね」。馬場が広い京都で末脚さく裂を頭に描く。デキは最高潮。ワンカラットが久々の輝きを放ってみせる。(黒田栄一郎)
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