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出遅れた新馬戦を3馬身差で圧勝したロジディオンが、函館2歳Sで世代初重賞を狙う。オーナーは、馬主となって初めて持った世代のロジユニヴァースで08年日本ダービーを制した久米田正明氏=ロジフレックス株式会社代表取締役社長。確かな相馬眼を持つ久米田オーナーは、素質豊かな2歳牝馬に来春に夢をつなぐ走りを期待している。
ロジディオンとコンビを組む後藤騎手は、7月29日の1週前追い切りに騎乗するため、美浦から函館競馬場に駆けつけた。「しっかりコミュニケーションを取っておきたい馬なんです。呼吸が大事になってくるし、フィーリングの小さなズレが結果に影響しそうな繊細なタイプ。追い切りはいい形で終えられたし、いい状態で臨めます」と好感触を得ていた。さらに、「1つ勝つと、関係者も夢が出てきます。それはファンにもあることで、ダービー厩舎、ダービーオーナーだと思えばこそ、これだけ注目されるんだと思います」と様々な人たちの期待を背負ってレースに挑む決意を言葉にした。
ロジディオンは、久米田オーナーが今年のブリーズアップセールで1500万円(税抜き)で落札した。「下見をしたときからこの馬が一番だと思っていた。(購買者用の)DVDを見ていて、コーナーを回る姿やクビと腰のバランス(を取ること)がすごくうまい。だからスピードが出る」
一目惚れした2歳牝馬は、6月28日の福島のデビュー戦(芝1200メートル)で牡馬相手に出遅れながら3馬身をつける完勝で期待に応えた。
同じ美浦・萩原厩舎に所属するロジユニヴァースは、03年の皐月賞&ダービー馬ネオユニヴァース産駒の牡馬で、デビュー当初からクラシックを意識した使い方だった。一方、ロジディオンの父は04年の高松宮記念を制したサニングデール。「血統からも短距離向きで、1600メートルまでは大丈夫だと思う。桜花賞に行ければいいですね」と牝馬クラシック制覇を思い描いている。
距離適性に違いはあるが、2頭の共通点も指摘する。「頭の高い走りの雰囲気がロジユニヴァースに似ていますね。夕べ(5日)もグリーンチャンネルで調教を見て、前回よりも調子を上げていそうですよ」。札幌ダートコースで古馬に食らいついた調教をしっかりとチェックして期待をさらにふくらませている。
状態アップの要因として、昨年ユニヴァースが取り入れていた橋(のぞみ橋=札幌競馬場と道路を挟んで反対側にある厩舎地区に渡るための橋)を1日に7~8往復する調教を取り入れていることもある。
「福島で勝った時から函館2歳Sに行こうと思っていた。もちろん(札幌競馬場に)見に行きます」。昨年はロジユニヴァースが新馬→札幌2歳S→ラジオNIKKEI杯と無敗3連勝で2歳戦を駆け抜けたが、今年はロジディオンに大きな夢を託している。(高尾幸司)
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