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以前働いていた会社は湘南の海に近かった。仕事が終わると同期の友人と作業服を着たまま釣りに出かけ、その帰りには飲み屋に寄ってしこたま飲んだ。いい時代だったと思う。
そんな風に毎日のんびり過ごしていたある日、突如職場がざわつく出来事があった。1997年のことだ。2000年に開催されるシドニーオリンピック「ヨット」の代表選考会で会社の先輩が入賞し、もしかしたらオリンピックに出場するかもしれない、というのだ。
それだけなら「頑張って下さい」の一言で済むが、話はもう少し複雑だった。先輩は営業職だったが、営業しながらヨットの練習はキツイ、ということで配置転換され、湘南事業所に来るというのだ。週のうち何日かは仕事時間を使って練習が許可され、残りの何日か仕事をして過ごすことになった先輩は2人。その時初めて知ったがヨットという競技は2人乗りとか3人乗りとか色々あって、先輩の種目は2人乗りだった。
程なく事務所にやってきた2人の先輩は浅黒い肌に引き締まった身体の“海男”。江ノ島あたりで、起きもしない波を待ってウミガメみたいにプカプカ浮きながらナンパに忙しい陸サーファーとは違う、本格的な競技ヨットの一流選手だ。トップアスリートと話したことがなかった私は物珍しくて色々と彼らに話を聞いた。
1人の先輩が言った言葉で印象に残っているモノがある。「結局(オリンピックに)行けそうか、否か?」と聞いた私に先輩のSさんはこう言ったのだ。
「あのね、のら~り。調子がいい時って、俺は風に“色”がついて見えるんだ。この“色”が見える時は無敵。見える風を掴んで走れば勝手に上位に入る。問題は選考会の最後にこの“風の色”が見えるかどうかなんだ…」
言っていることは全然意味が判らなかったが(笑)遠くを見ながらそう語ったS先輩は確かにカッコいいマリンスポーツの男だった。
さて、風が見えるのはヨットの選手だが、“何かが見える”といえば競走馬もまた一緒。ある特定条件でこの馬には“何か”が見えているのではないかという強いレースをする馬はいつの時代にもいて、今週土曜の東日本エリア・メイン競走、ターコイズSにもそんな馬が出走してくる。今週の金言を紹介しよう。
曰く「ターコイズSはマイルの勝ち筋が見える馬」。
サウンドビバーチェは12戦3勝。5回の連対実績は1回の2000mを除き全て芝の1600mで、この条件を走る彼女には“何か”が見えているとしか思えない。レーティングも近2走108と高く、実力上位は確かだ。
選考会で風の色を見失いオリンピックには出場できなかった先輩と再会したのはそれから6年後のこと。初めて会った時、ヨット以外の話になるとどことなくオドオドしていた先輩は、6年後に再会した時、押しも押されぬ管理職になり、堂々と社員の前でプレゼンする人物に変わっていた。風が見えなくなった代わりに先輩には“他の何か”が見えるようになったのだろう。
(文:のら~り)
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