編集部(以下、編) さぁ、グランプリの
有馬記念です。
新良(以下、新) いよいよですね。今はこのあとに
ホープフルSが控えていますが、今年の総決算的な大一番というポジションは変わらないでしょう。
編
有馬記念を取れば、その一年を勝った気になるという人もいますし、
有馬記念だけは是が非でも当てたいというファンも大勢います。しっかり決めたいですね。
新 もちろん、そのつもりです。このレースを当てないと、笑顔で年を越せません(笑)。
編 確かに(笑)。ただ今年は、乗り替わりが5頭にとどまっているうえ、上位人気馬のほとんどが継続騎乗なんですよね。
新 乗り替わり予想としては、厳しい戦いになることは覚悟していました。もともと
有馬記念は継続騎乗が強いレースで、乗り替わりは劣勢なんですよ。過去10年で乗り替わりは2勝。勝率はたったの2.8%しかありません。
編 それは厳しいですね。先週の朝日杯フューチュリティSのように、継続騎乗の上位独占という結果に終わってしまうかも……。
新 その可能性は高いかもしれません。でも、
有馬記念は何が起こるかわからないレースの代表格です。乗り替わりが馬券に絡むと信じて、最先着馬を指名できるように全力を尽くします。
編 力強いコメント、ありがとうございます。よろしくお願いします。
新 昨年は珍しく乗り替わりのワンツー決着だったので、連チャンがあることに期待しています。
編 では、結論をお聞かせいただけますか?
新 ルメール騎手から
戸崎圭太騎手に乗り替わる⑧
レガレイラを狙います。
編 ルメール騎手は
菊花賞馬の
アーバンシックを選んだようですね。近走成績を考えると、その判断には納得がいくかと。
新 まぁ、当然の選択でしょう。
アーバンシックとのコンビでは、ここ2戦完璧に近いレースをしているので、手が合うという印象も持っているはずです。
編 その結果、空いてしまった
レガレイラの鞍上を戸崎騎手が務めることになりました。この乗り替わりを取り上げた理由を教えてください。
新 枠の並びや鞍上の質を加味すると、この馬しかない。そう判断しました。
ドウデュースの取消は残念ですが、継続騎乗の有力馬が有利な内枠に並びましたからね。不利な外枠の乗り替わりは、かなり厳しいと言わざるを得ません。
編
レガレイラは中枠で、鞍上は関東のリーディングジョッキー。表現は悪いですが、ギリギリセーフという感じでしょうか。
新 おっしゃる通りですね。外枠だったら厳しかったかもしれませんが、この枠ならなんとか戦えます。中山を得意とする戸崎騎手なら、最高のピンチヒッターと言えるのではないでしょうか。
編 ただ、
レガレイラがちょっと心配なんですよね。今年に入って期待を裏切る結果が続いていますが、巻き返す余地はありそうでしょうか……。
新 人気と着順だけを見ると、期待外れに映るでしょう。でも、内容はそこまで悪くないんですよ。
皐月賞は3コーナーから進出したものの、前を2度もカットされて減速を余儀なくされましたし、ダービーでも直線で進路を探す不利がありました。
編 なるほど。
新 秋の2戦は牝馬相手でも結果を出せませんでしたが、
ローズSはしっかり仕上げる必要のないレースでしたし、
エリザベス女王杯は初めての京都遠征でした。そもそも遠征が得意ではない
木村哲也厩舎で5着なら、むしろ善戦だったと言えるかもしれません。しかも直線では他馬に接触する不利もあり、先行有利の向かない展開でした。それで勝った
スタニングローズと0秒5差なら、悪くはないでしょう。遠征のない中山なら逆転してもおかしくないと思います。
編 その見解を聞くと、希望がわいてきますね。一発の可能性はじゅうぶんにありそうな気がしてきました。
新 大ありですよ。内を捌いていいことがないのは前走で証明済みですし、戸崎騎手なら外に張りながら脚を溜める競馬に徹するはずです。春時点での
アーバンシックや
ダノンデサイルとの差であったり、
ホープフルSで破った
シンエンペラーとの差も考慮すると、
レガレイラのポテンシャルは相当高いと考えられます。G1を勝っている中山コースなら、不安よりも期待のほうがはるかに大きいですね。
編 ここ一連の成績と、明らかな相手強化で人気落ち必至です。馬券はかなり楽しみですね。
新 これまでは勝たなければならない立場でしたが、今回はその重圧から解放されます。鞍上も気楽に乗れるでしょうし、思いきった騎乗をしてほしいですね。軸まではいかずとも、必ず相手には加えておきましょう。
★その他の注目乗り替わり★
中山8R ⑫
カンザシ(
野中悠太郎→ルメール)
京都9R ⑨
ジャスパーバローズ(
坂井瑠星→
岩田望来)
京都12R ⑥
スカプラリオ(
吉村誠之助→
酒井学)