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2014年に中山から阪神に舞台を移した2歳G1レースだが、この時期のマイルG1であることに変わりはなく、中山開催時と比較して出走メンバーの質に大きな変化は見られない。強いて変わった点を挙げるならば、京都2000mの新馬戦を勝ち上がり、2戦目で当レースを制した2015年の優勝馬リオンディーズのようなタイプは、中山開催時であればその大半が朝日杯を見送っていたということ。おそらく「阪神外回りだからこそ」使ってきたのだろう。今後、同じようなケースが増える可能性もあり、押さえておきたいポイントのひとつである。レースが行われる阪神外回り1600mは、直線が長く急坂もあるため、高い瞬発力を求められる。速い上がりを確実に使えそうな馬を優先してチョイスしたい。(各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります)
【人気】
阪神移行後の結果を検証すると、上位人気に限れば中山開催時と大差はなく、ほぼ同様の傾向ととらえてもいい。2016年こそ波乱決着となったが、基本的に1番人気が強いレースで、連対率、複勝率ともに極めて優秀な成績を残している。特に注目したいのは「前走芝1600m以上の勝ち馬」が1番人気のケース。2007年以降、馬券に絡めなかったのは2010年4着のサダムパテック1頭のみ。同馬を除き、該当馬はすべて連対(4勝2着2回)という、抜群の安定感を見せつけている。一方で、阪神開催以降は、2桁人気馬の健闘も目立っている。よって、人気馬を軸に相手を絞るのではなく、手広く散らしたほうが、好結果につながりやすいと判断したい。
◆人気別成績(過去20年)
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 6-6-4-4 | 30.0% | 60.0% | 80.0% | 88.5% | 107.0% |
2番人気 | 5-3-2-10 | 25.0% | 40.0% | 50.0% | 132.5% | 85.5% |
3番人気 | 1-2-3-14 | 5.0% | 15.0% | 30.0% | 31.0% | 60.0% |
4番人気 | 3-2-3-12 | 15.0% | 25.0% | 40.0% | 142.5% | 114.5% |
5番人気 | 1-2-3-14 | 5.0% | 15.0% | 30.0% | 73.0% | 93.0% |
6~9番人気 | 3-3-2-72 | 3.8% | 7.5% | 10.0% | 87.5% | 45.1% |
10番人気以下 | 1-2-3-132 | 0.7% | 2.2% | 4.3% | 29.3% | 35.0% |
◆単勝オッズ別成績(過去20年)
単勝オッズ | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1.9倍以下 | 0-2-0-1 | 0.0% | 66.7% | 66.7% | 0.0% | 73.3% |
2.0~2.9倍 | 3-2-2-2 | 33.3% | 55.6% | 77.8% | 74.4% | 95.6% |
3.0~4.9倍 | 4-3-3-7 | 23.5% | 41.2% | 58.8% | 83.5% | 85.3% |
5.0~7.9倍 | 5-5-4-18 | 15.6% | 31.3% | 43.8% | 92.2% | 82.8% |
8.0~14.9倍 | 5-3-6-38 | 9.6% | 15.4% | 26.9% | 110.2% | 86.0% |
15.0~19.9倍 | 0-2-1-14 | 0.0% | 11.8% | 17.6% | 0.0% | 68.2% |
20.0~49.9倍 | 3-2-2-72 | 3.8% | 6.3% | 8.9% | 121.9% | 51.6% |
50.0倍以上 | 0-1-2-106 | 0.0% | 0.9% | 2.8% | 0.0% | 25.2% |
◆配当(過去10年)
馬券種 | 最高配当 | 最低配当 | 平均配当 |
---|---|---|---|
単勝 | 3,450円 | 230円 | 956円 |
複勝 | 1,060円 | 110円 | 322円 |
枠連 | 6,160円 | 460円 | 2,315円 |
馬連 | 14,050円 | 520円 | 3,943円 |
ワイド | 5,170円 | 210円 | 1,608円 |
馬単 | 20,260円 | 840円 | 7,323円 |
3連複 | 42,820円 | 700円 | 12,597円 |
3連単 | 221,200円 | 2,630円 | 73,629円 |
【脚質】
脚質についても中山開催時とさほど大きな違いはなく、「差し有利」。阪神開催移行後はコース形態も味方しているのか、その傾向がより顕著となっており、中団待機組が先行勢を圧倒。4コーナー5番手以内の通過で、連対を果たした馬は2017年1着のダノンプレミアムのみとなっている。3着も逃げて粘り込んだ2016年のボンセルヴィーソ1頭だけで、逃げを含む先行勢に関しては「3着まで」と決めつけてもいいぐらいだ。対照的に4コーナーを10番手以下で通過した馬の好走が目立ち、阪神開催になってからは、勝ち馬はほぼ該当。2014年と2016年はワンツーフィニッシュを果たしている。「中団やや後ろめ」のポジションを取りそうな馬で、速い上がりを使えそうなタイプであれば、絶対に押さえるべきだ。
◆脚質別成績(過去20年)
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
逃げ | 1-2-2-18 | 4.3% | 13.0% | 21.7% | 27.0% | 69.6% |
先行 | 9-5-8-52 | 12.2% | 18.9% | 29.7% | 167.0% | 97.7% |
差し | 8-12-6-95 | 6.6% | 16.5% | 21.5% | 50.9% | 59.0% |
追込 | 2-1-4-93 | 2.0% | 3.0% | 7.0% | 12.6% | 16.7% |
【枠順】
現在の施行条件に移行してから、さほど回数をこなしておらず、サンプルがあまりにも少ない状況。過去の中山開催時のデータを分析しても意味はなく、ここでは、同時期に同じ舞台で行われる阪神JFと合わせて検証する。阪神JFでは「人気サイドが1枠に入れば信頼度アップ」の傾向がみられていた。当レースについても、上位人気馬が1枠に入ったケースでは、2014年にダノンプラチナ(1番人気)、2017年にダノンプレミアム(1番人気)が人気に応えて優勝している。コース形態や開催時期を考えると、阪神JFと同様の傾向が出てもなんら不思議はなく、人気馬が1枠を引いた場合は素直に信用すべきだろう。
◆枠順別成績(過去20年)
枠順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 5-1-4-28 | 13.2% | 15.8% | 26.3% | 69.7% | 60.3% |
2枠 | 4-2-5-27 | 10.5% | 15.8% | 28.9% | 146.6% | 106.8% |
3枠 | 2-4-1-33 | 5.0% | 15.0% | 17.5% | 75.0% | 74.0% |
4枠 | 2-2-3-33 | 5.0% | 10.0% | 17.5% | 19.0% | 31.8% |
5枠 | 2-6-0-31 | 5.1% | 20.5% | 20.5% | 30.3% | 43.1% |
6枠 | 2-4-1-33 | 5.0% | 15.0% | 17.5% | 44.5% | 40.0% |
7枠 | 1-0-5-36 | 2.4% | 2.4% | 14.3% | 82.1% | 64.0% |
8枠 | 2-1-1-37 | 4.9% | 7.3% | 9.8% | 49.0% | 26.6% |
【血統】
血統については、阪神JFと同様に父または母父にノーザンダンサー系種牡馬を持つ馬の好走が目立つ。また、阪神に開催が移行されてからの勝ち馬は、別表のリーディング上位に位置しているディープインパクトとキングカメハメハの産駒で占められており、主流血統が走りやすいレースと言えるだろう。ほかでは、サクラローレル、スペシャルウィーク、ジャングルポケット、ピルサドスキーなど、大箱コースの中・長距離G1勝ち馬を父もしくは母父に持つ馬の活躍が顕著。前述したディープインパクトとキングカメハメハも同じく大箱コースの中・長距離G1勝ち馬だ。阪神に移行してから、条件を満たす馬は毎回上位争いを演じている。まとめると、主流血統が走りやすく、加えて中・長距離の潜在適性も要求されるレースであると言えよう。
◆同コース種牡馬別成績(阪神競馬場/芝/1600m/過去5年)集計期間:2013/12/09~2018/12/09
位 | 種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ディープインパクト | 55-48-41-270 | 13.3% | 24.9% | 34.8% | 59.5% | 75.8% |
2 | ダイワメジャー | 16-18-21-140 | 8.2% | 17.4% | 28.2% | 108.6% | 90.7% |
3 | キングカメハメハ | 12-11-15-125 | 7.4% | 14.1% | 23.3% | 76.7% | 60.4% |
4 | ハーツクライ | 12-10-15-105 | 8.5% | 15.5% | 26.1% | 44.4% | 61.9% |
5 | ステイゴールド | 11-9-12-103 | 8.1% | 14.8% | 23.7% | 60.0% | 95.4% |
6 | ハービンジャー | 9-8-5-69 | 9.9% | 18.7% | 24.2% | 147.9% | 81.1% |
7 | ロードカナロア | 7-4-1-21 | 21.2% | 33.3% | 36.4% | 197.3% | 67.9% |
8 | マンハッタンカフェ | 6-7-6-74 | 6.5% | 14.0% | 20.4% | 48.0% | 55.4% |
9 | アドマイヤムーン | 6-5-6-52 | 8.7% | 15.9% | 24.6% | 82.5% | 98.7% |
10 | クロフネ | 5-3-5-48 | 8.2% | 13.1% | 21.3% | 56.4% | 46.1% |
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