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春の小倉開催が先週で終了し、今週から第3場開催は中京に移る。3週間すべて重賞レースが組まれ、ラストにはGI高松宮記念が行われるだけに、ローカル色はない。開幕初日の土曜メーンは注目のGIII中日新聞杯だ。実力馬が集うものの、そこはハンデ戦。過去10年、1、2番人気がそろって3着以内に入ったのは1度しかなく、3連単で10万円を超える配当も3度飛び出している。波乱のシーンも考えておきたい。
トップハンデの58キロを課されたのはサトノノブレス(栗東・池江泰寿厩舎、牡6歳)だ。一昨年の小倉記念以降、勝ち星から遠ざかって久しいが、アルゼンチン共和国杯4着、金鯱賞3着、日経新春杯3着とGIIでも堅実に上位争いを演じている。アルゼンチン共和国杯、日経新春杯でも58キロを背負っており、GIIIで同じハンデなら不足はない。前述の小倉記念V以降はGIとGIIしか走っておらず、ここは格の違いを見せつける可能性が高そうだ。
牝馬ながら55.5キロのハンデで、実質的に2番手の扱いとなったのがバウンスシャッセ(美浦・藤沢和雄厩舎、牝5歳)。前走の愛知杯でも55.5キロをあっさり克服して1馬身1/4差の完勝だったように、斤量、コースをクリアしているのは強みだ。戦歴にムラはあるが、大敗にはいずれも明確な理由がある。今回は一昨年の函館記念以来となる牡馬相手のレースだが、コンビを組んで2戦2勝の田辺裕信騎手が引き続き騎乗するのは心強い。
前走の小倉大賞典で重賞初制覇を果たしたアルバートドック(栗東・須貝尚介厩舎、牡4歳)は、松田博資調教師の定年に伴って今回が転厩初戦となる。ハンデは2キロ増えて57キロとなるだけに、環境の変化もあって楽観はできないが、決め手の鋭さはここでもヒケを取らない。
同じく57キロのヒストリカル(栗東・音無秀孝厩舎、牡7歳)は、昨夏以降の充実ぶりが目を引く。前走は重馬場で持ち味を生かし切れなかったものの、それでも4着。距離もベストより長かっただけに、かえって現状の好調ぶりがうかがえた。中京コースは初めてだが、昨秋のアイルランドTでは左回りの2000メートル戦で勝ち星を挙げている。ここは、そのときと同じ田中勝春騎手とのコンビ。3歳時の毎日杯以来、4年ぶりの重賞Vを狙う。
もう1頭、57キロのハンデとなったのはブライトエンブレム(美浦・小島茂之厩舎、牡4歳)だ。登録20頭(フルゲート18頭)の中で賞金順位は最も低く、除外対象となっているが、このハンデなら出走できる可能性もある。前走の中山金杯(6着)は極端な上がり勝負になって伸びを欠いたが、潜在能力の高さはここでも屈指。出走できるようなら、雪辱を期すクリストフ・ルメール騎手とのコンビ継続で上位争いに加わってくるだろう。
重賞初挑戦となったアメリカジョッキークラブCで0秒3差5着と健闘したヤマニンボワラクテ(栗東・松永幹夫厩舎、セン5歳)も、地力強化は目覚ましいものがある。中京の芝コースは【2・1・1・0】と実績十分。ハンデも55キロで実績馬とは差があるだけに、鞍上の藤懸貴志騎手ともども、重賞初制覇のチャンスだ。
他にも、1000万下-1600万下を連勝して勢いに乗るクルーガー(栗東・高野友和厩舎、牡4歳)=55キロ、白富士Sを勝って充実ぶりをアピールしたケツァルテナンゴ(栗東・笹田和秀厩舎、牡4歳)=56キロ、京都記念(14着)は馬場を苦にして力を出していないショウナンバッハ(美浦・上原博之厩舎、牡5歳)=55キロ、抜群の安定感を持ち、徐々に力を付けてオープン入りを果たしたアングライフェン(栗東・安田隆行厩舎、牡4歳)=55キロ、前4戦で3、3、3、2着と堅実なファントムライト(栗東・藤原英昭厩舎、牡7歳)=55キロ、追い込み一手ながら展開が向けば侮れないライズトゥフェイム(美浦・加藤征弘厩舎、牡6歳)=56キロなども重賞初Vを狙える顔触れだ。
1年9カ月ぶりの実戦を叩かれたサトノアポロ(美浦・国枝栄厩舎、セン8歳)=56キロ=は、3年前の覇者。1週前追い切りではいい動きを見せており、状態面の上積みがあれば大きな変わり身があっても驚けない。
★中日新聞杯の特別登録馬(想定騎手入り)はこちら
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