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第158回天皇賞・秋(28日、東京11R、GI、3歳上オープン国際(指)、定量、芝2000メートル、1着本賞金1億5000万円=出走12頭)クリストフ・ルメール騎乗で2番人気のレイデオロが中団追走から差し切って快勝。昨年のダービー以来、2度目のGI制覇を成し遂げた。タイム1分56秒8(良)。今後は有馬記念(12月23日、中山、GI、芝2500メートル)が視野に入っている。1馬身1/4差の2着は4番人気のサングレーザー。1番人気スワーヴリチャードは出遅れが響いて10着に敗れた。
これがダービー馬の底力だ。直線で力強く抜け出したレイデオロに、9万6691人の歓声が降り注ぐ。完全復活を印象づける1馬身1/4差の完勝劇に、ルメール騎手が声を弾ませた。
「強かったですね。長くいい脚を使って頑張ってくれた。天皇賞は初めて勝つことができたのでうれしいです」
好スタートから中団前めの好位置へ。しっかりと折り合いスムーズに追走すると、4コーナーで追い出しを開始。グングン加速し、あっさりと勝負をつけた。
また、また、ルメールだ。2週前に秋華賞のアーモンドアイで牝馬3冠を達成。菊花賞ではキャリア4戦目の7番人気フィエールマンを勝利に導いた。今月の重賞は8戦オール連対。昨春のヴィクトリアマイル→オークス→ダービー以来、自身2度目(歴代3例目)の3週連続GI制覇だ。
「“天皇賞”というのは日本だけです。特別なレース。絶対に勝ちたかった」
2015年のJRA騎手免許取得前から、短期免許で何度も来日。日本の風土や文化を愛してきた。それだけに春4度、秋9度目の挑戦で、ようやくつかんだタイトルに感慨深げだ。
“厩舎力”も光った。3歳以降は『春秋2戦ずつ』のローテーションを守ってきたが、今秋は9月の産経賞オールカマー(1着)で始動すると、中4週でここに参戦。2歳時以来の短いレース間隔を選んだことについて藤沢和調教師は「ここのところ、気合乗りが悪いところが多かった。『短い間隔でやらせてほしい』とオーナーと話してね。きょうはいつになく(馬が)やる気十分でした」と明かし、してやったりの表情を浮かべた。
17日の1週前追い切りでは深い馬場に脚を取られ、鞍上が下馬するアクシデント。それでも21日に坂路で時計を出して運動量を補い、24日の最終追い切りでは絶好の動きを見せた。現役最多の天皇賞・秋6勝目は、厩舎の技術力のたまものだ。
次走は「オーナーと相談して。(今年中にもう1戦?)そう思います。オーナーはもう1年走ることに前向きでもあったので」と指揮官。レースは未定だが、鞍上が「特別な馬」と語るアーモンドアイがジャパンCに参戦するなら、こちらは有馬記念を選ぶ可能性もある。GI馬7頭による大決戦を制し、完全に誇りを取り戻した第84代ダービー馬。“黄金の王”が、現役最強馬の称号をつかむ日は、目の前だ。 (山口大輝)
★28日東京11R「天皇賞・秋」の着順&払戻金はこちら
★連続最多連対は「10」
ルメール騎手はJRA重賞で8戦連続連対を継続中。JRAでは、戸崎騎手が2016年に7月3日(ラジオNIKKEI賞=ゼーヴィント1着)から9月18日(セントライト記念=ゼーヴィント2着)まで10戦連続連対を記録している。
★アラカルト
◆クリストフ・ルメール騎手 JRA・GIは20勝目で歴代10位。年間GI6勝は最多タイ。
◆藤沢和雄調教師 天皇賞・秋6勝目で、7勝の尾形藤吉元調教師に次ぐ史上2位。JRA・GIは歴代1位の27勝目。
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◆ダービー馬の天皇賞・秋 2000メートルになってから、1984年ミスターシービー、99年スペシャルウィーク、2007年メイショウサムソン、08年ウオッカ、12年エイシンフラッシュに次ぐ6勝目。なお、前哨戦の産経賞オールカマー優勝馬のVは初めて。
★入場&売り上げ
悪天候だった昨年と違って秋晴れとなった28日の東京競馬場の入場人員は9万6691人で、前年比151・5%と大幅にアップした。一方、天皇賞・秋の売り上げは183億4111万1700円で同94・7%とダウン。ダンビュライトの競走除外による返還金(7億8721万9100円)がなかったとしても98・8%にとどまり、出走頭数が例年より少なかった影響があったようだ。今年の平地GIは16レースが終了したが、フェブラリーS、大阪杯、皐月賞、天皇賞・春、宝塚記念に次ぐ6レース目の売り上げダウンとなった。
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