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開業4年目の美浦・小手川準調教師(51)に、自身初となるJpnⅠ&中央重賞制覇のチャンスが訪れた。3日金曜のJBCクラシックではウィルソンテソーロ(牡4)、5日日曜のアルゼンチン共和国杯ではヒュミドール(騸7)がスタンバイ。虎視眈々とタイトル取りを狙っている。
ウィルソンテソーロはダートに転向して8戦7勝の新星。今年5月のかきつばた記念では、厩舎に初の地方交流重賞Vを届けた。「本当にうれしかったですね。まだ全然完成されていない中でこれだけの結果を残せていますし、先々も楽しみな馬。前走の白山大賞典は体調を整えるだけの調整で、かつ苦手な小回りコースでも勝ち切ってくれましたからね」と能力の高さに目を細める。今回は厩舎初のJpnⅠ勝利が懸かる一戦。「ここにチャレンジをできるのは幸せなこと。相手も強くなりますし、しっかり負荷をかけて、一段踏み込んだ調整をしています」と意気込みは十分だ。
ヒュミドールは重賞2着3回と歴戦のベテラン。天皇賞・春(10着)以来の実戦となるが、「休み明け感は全くないし、馬から『リベンジしたい』というギラギラ感が伝わってきていますからね。何とか重賞を勝たせてあげたい」と思いはひとしおだ。
厩舎をけん引するこの2頭が、他馬にとっても好影響を与えていると指揮官は話す。「この2頭はお互いに強さを認めていますし、他の馬も走り方や所作を真似しようとたりしているんですよ。馬も集団で生きる生き物ですから、この2頭から感じるものがあるんでしょうね。そのおかげで、同じ調教の組に入っているデビッドテソーロなんかはすごく馬が良くなりました」と、5日日曜の東京1Rに出走する2歳馬にも思わぬ相乗効果が出ているようだ。
ちなみに、指揮官は野球好きで大の虎党。阪神はオリックスとの日本シリーズで連日、熱戦を繰り広げている。「試合は見ていますよ。きのう(1日)は(サヨナラ打を放った)大山選手がよく打ってくれましたね」と、阪神のキャップをかぶりながら笑顔で話した。金曜のJBCクラシック、日曜のアルゼンチン共和国杯での悲願成就に加え、阪神が38年ぶりの日本一に輝けば、これほど最高の週末はない。「そうなってほしいですね」と願う51歳の指揮官にとって、盛りだくさんの3日間になりそうだ。
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