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今年最初のGIフェブラリーSの追い切りが16日、栗東トレセンで行われた。白毛のアイドルホース、ソダシ(栗東・須貝尚介厩舎、牝4歳)が、坂路単走で4ハロン52秒9-12秒2をマーク。前進気勢は十分で態勢は整った。ダートのイメージは悪くないと吉田隼人騎手が証言していて、得意の1600メートルなら復活Vがありそうだ。
純白のアイドルがふたたび輝きを取り戻そうとしている。真冬の栗東の坂路をただ1頭で駆け上がったソダシ。その躍動感あふれる走りに、「いい感じでこられています。先週CWコースでやって、今週は坂路で。息の入り方は良かったです」と、手綱を取った吉田隼人騎手の落ち着いた語り口からも、状態のよさが伝わってきた。
これまでレース直前は主に坂路で併せ馬だったが、今回はシンプルに単走で馬なり。軽快なリズムで1ハロン14秒4-13秒9と前半のラップを刻み、しっかりと折り合うと、徐々にペースを上げるが、ジョッキーは手綱を動かさずに、ソダシの気持ちを優先した。全体の時計は4ハロン52秒9-12秒1。前進気勢も十分で活気ある動きを見守った須貝調教師は「無理せず、リズムよく、という指示。時計も雰囲気も理想的ですね」と満足そうな表情を見せた。
秋華賞でゲートに突進して気持ちの難しさをみせたため、前走のチャンピオンズCは単走で追い切ったが、強めに追って4ハロン51秒8の猛時計は逆に気持ちを乗せすぎてしまったかもしれない。レースでは最内枠ということもあって、もまれないように先手を取ったが、最後は失速してしまった。今回は2週前の3日に栗東CWコースでラスト1ハロン10秒7の破格の時計をマークし、レース当週は馬なりの調教。調教師は「時計もすんなり出て、普段もリラックスしているし、精神的にお姉さんになってきたのかな」と目を細めた。
初ダートのチャンピオンズCは12着。ジョッキーは「スタートしてからハナに行けるぐらいのスピードを見せたし、調教の感触も悪くないので、(ダートの)イメージは悪くないです」と前向きなジャッジを下し、「条件はマイルぐらいのほうがいいと思っていました」と舞台変わりを歓迎した。芝では阪神JFと桜花賞のGI2勝を含む重賞3戦3勝の1600メートルが舞台なら巻き返せるとの判断だ。
近走不振の要因は気性的な難しさだろう。「調教のわりに走れていないところがあります。気持ちの部分で『苦しい、走りたくない、ああ嫌だな』というのが競馬の内容につながってきています」と、吉田隼騎手は正直に明かす。しかし、秋華賞でみせたゲートに突進する悪癖が改善されたのは、前走の好スタートをみても明らか。「今ならスッと入るし、なんなら自分から入るようになっている」と今浪厩務員も証言している。気持ちを尊重した、今回の最終追い切りで走る楽しさを思い出してくれれば、強いソダシが帰ってくるはずだ。
これ以上は、汚れてほしくない。純白のアイドルホースが、また光を放つ姿をファンは待ち望んでいる。 (増本隆一朗)
★須貝師TALK★
--東京ダ1600メートルという舞台設定はどうか
「ダートが合っていないということは、あの時点(チャンピオンズC12着)では決めつけたくない。マイルのワンターン(カーブが1回)というのもいい方向に働いてくれたら。血統的にもプラスがあればと思って、使わせていただく」
--近走は気持ちひとつかと思う部分がある
「若い時よりずるさを覚えたのかな、というところがある。経験を踏まえて、競馬の中で戦ってほしいし、ずるさを出さないように、(吉田)隼人(騎手)がうまく導いてほしいなというところがある」
--ファンへひと言
「ダートを使ってどろどろになるかもしれませんが、ソダシは日々の調教を一生懸命頑張っています。変わらない応援よろしくお願いします」
★ミッキTM調教チェック★
当週追いは坂路で単走馬なりを消化。終始脚取りは軽く、適度な前進気勢があって雰囲気も良好でした。楽に52秒台をマークし、仕上がりの良さをアピール。主戦の吉田隼人騎手との呼吸もぴったりで、気難しいところを見せることなく、最後までいいリズムで走れていたのには好感が持てます。息遣いも良好で、初戦から全力を発揮できる態勢にありますし、中間の調整でも落ち着きは十分。このまま無事に臨めればと思います。 (競馬エイトトラックマン・ミッキ)
ミッキ…大阪府出身。幼少期からサラブレッドにひかれ、将来は馬産に携わることを夢見ていたが、縁あって女性トラックマンの道へ。過去のレース内容や中間の調教を重視。時計班だが、直接厩舎へ行って情報を仕入れ、予想に反映することも。
★ フェブラリーSの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載
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