弥生賞ディープインパクト記念が7日、中山競馬場で10頭によって争われ、横山武騎乗で4番人気の
タイトルホルダーが逃げ切って重賞初制覇を飾った。2着は2番人気の
シュネルマイスター。断然人気に支持された昨年の最優秀2歳牡馬
ダノンザキッドは3着に敗れ、デビュー4戦目で初黒星を喫した。上位3頭が
皐月賞(4月18日、中山、GI、芝2000メートル)の優先出走権を獲得した。
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冬に逆戻りしたような寒い中山で、春の嵐を巻き起こした。これまで2歳王者
ダノンザキッドに2戦2敗だった
タイトルホルダーが鮮やかな逃げ切りでリベンジ成功。横山武騎手は会心の騎乗に左こぶしをグッと握りしめてガッツポーズだ。
「カッとしやすいのが一番の鍵だと思っていましたが、うまく単騎で自分のペースで行けました。いい騎乗ができました。いい形でトライアルを勝てて良かったです」
巧みなペース配分が光った。好スタートから先頭に立つと道中のラップを13秒台まで落とし、前半1000メートル通過は62秒6の超スロー。そこから徐々にピッチを上げていくと、後続はまったく捕まえられない。2着
シュネルマイスターに1馬身1/4差をつけ、自身、そして新種牡馬の父
ドゥラメンテに初めての重賞タイトルを贈った。
「この馬の良さはスピードの持続力。逃げずに馬群で競馬をした方がいいのかとも思ったけど、前々で脚を使える点が見えましたね」と栗田調教師。厩舎は今年初日の1月5日中山1Rを勝ったあと、このレースの前まで49連敗と不調にあえいでいた。トレーナーは戒めのために伸ばしていた黒ひげをさすりながら、「やっと、それます」と笑顔を振りまいた。
新馬戦を勝った後は東スポ杯2歳S2着、
ホープフルS4着とあと一歩の競馬が続いた。掛かって力をロスする欠点を解消するため、今回は父も用いていた操縦性を高めるクロス鼻革を装着。「クロスで勝てるというものではないけど、うまくいったし、ジョッキーもうまく乗ってくれた」。2日に疝痛(腹痛を伴う病気)を起こし、木曜追いになるアクシデントも乗り越え、
皐月賞への切符をつかんだ。
鞍上には
共同通信杯を勝った
エフフォーリアがいるため、本番でもコンビを組むかは微妙だが、「乗りやすくてパワーがある。全てがいいですね」と称賛を惜しまなかった。2015年に
皐月賞&
日本ダービーの2冠に輝いた父の背中を追い、
タイトルホルダーがクラシックの王道を突き進む。(漆山貴禎)
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タイトルホルダー 父
ドゥラメンテ、母メーヴェ、母の父モティヴェイター。鹿毛の牡3歳。美浦・
栗田徹厩舎所属。北海道新ひだか町・岡田スタツドの生産馬。馬主は山田弘氏。戦績4戦2勝。獲得賞金8582万8000円。重賞は初勝利。
弥生賞ディープインパクト記念は
栗田徹調教師、
横山武史騎手ともに初勝利。馬名は「選手権保持者。父、母父、二代母父がダービー馬なので」。