第54回
函館記念(15日、函館11R、GIII、3歳上オープン国際(特指)、ハンデ、芝2000メートル、1着本賞金4100万円 =出走15頭)サマー2000シリーズの第2戦は、
藤岡佑介騎乗の5番人気エアアンセムが好位から直線で抜け出して快勝。7歳にして重賞初制覇を成し遂げた。タイム1分59秒8(良)。この後は未定。2着は7番人気の
サクラアンプルール、3着は13番人気の
エテルナミノルで3連単は57万円超の波乱となった。1番人気
トリコロールブルーは6着に敗れた。
7歳にして、素質開花だ。エアアンセムが好位から抜け出して重賞初制覇。好リードの藤岡佑騎手が笑顔で振り返る。
「勝てるポジションで馬のリズムを守っていきました。いい枠で、スタートが良かったのが最大の勝因。最後は何とか残ってくれと思いました」
開始10秒でVロードに乗った。(6)番枠から促され、1コーナーで内の4番手へ。「3~4コーナーも手応え抜群。あとはさばくだけ」。直線で力強く脚を伸ばし、
サクラアンプルールの追撃を半馬身振り切った。
鞍上は先月24日にJRA通算700勝を達成。函館リーディングも15日時点で11勝で、14勝でトップのルメール騎手らに続く4位と好調だ。「いい夏を過ごして秋につなげたい。リーディング争いも食らいついているので、もう1週頑張ります」。自身が先導し、16日に函館競馬場で行われる騎手と小学生がふれあうイベントを前に、函館の大一番で競馬の面白さをアピールした。
「佑介(藤岡佑騎手)はコースを熟知しているし、コンビも3戦目。うまく外に出せた」
4年連続の重賞6勝目の吉村調教師も鞍上をたたえた。伯母に
秋華賞馬
エアメサイアを持ち、伊藤正厩舎からデビューして新馬-
ホープフルS(当時オープン特別)と連勝した素質馬。6戦目の2014年
セントライト記念後に転厩し、以降は長く条件戦を戦いつつ、左前脚の屈腱炎による1年の休養もあったが、「肉体的なポテンシャルはすごく高いと思っていました」と笑みがこぼれる。
次走は未定だが、連戦続きだけに休養の公算が大きい。「適性は1800~2000メートル。そのあたりで大舞台にいければ」と吉村調教師。本格化を遂げたエアアンセムが、さらなる飛躍へ、北の大地から一歩を踏み出した。 (千葉智春)
★15日函館11R「
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エアアンセム 父
シンボリクリスエス、母エアマグダラ、母の父サンデーサイレンス。黒鹿毛の牡7歳。栗東・
吉村圭司厩舎所属。北海道千歳市・社台ファームの生産馬。馬主は(株)ラッキーフィールド。戦績27戦5勝。獲得賞金1億6991万8000円。重賞初勝利。
函館記念は、
吉村圭司調教師が初勝利、
藤岡佑介騎手は2008年
トーセンキャプテンに続く2勝目。馬名は「冠名+聖歌」。