第11回
ヴィクトリアマイル(15日、東京11R、GI、4歳上牝馬オープン国際(指)、定量、芝1600メートル、1着本賞金9300万円 =出走18頭)
戸崎圭太騎乗の7番人気
ストレイトガールが中団から直線で鋭く伸びて圧勝。1分31秒5(良)のレースレコードで連覇を達成した。JRA所属の7歳牝馬がJRAのGIを勝つのは初めてのこと。次走は未定。2着は1番人気
ミッキークイーン、3着は2番人気
ショウナンパンドラ。
女王は今年も女王らしくあった。7歳牝馬
ストレイトガールが、2013、14年の
ヴィルシーナ以来となる史上2頭目の連覇を達成。検量室前に引き揚げてきた戸崎騎手はパートナーの首筋を
ポンポンと叩き、「馬がすごい」とねぎらった。
「馬に頭が下がる思いです。着差を見ても、去年(アタマ差)より強い勝ち方。本当に見事な走りでした」
中団のやや後ろを進み、直線に向いてぽっかりとあいた目の前のスペースへ。ケタ違いの瞬発力を発揮して残り300メートルほどで先頭に立つと、昨年の2冠牝馬も、
ジャパンCを制した女傑も置き去りに。ゴール前でジョッキーが後ろを振り返る余裕があったほどの圧勝劇だった。
「手応えは抜群で、直線に向いてからもいい感じでした。ステッキもいらなかったくらいでしたが、どこから(他馬が)来るか分からないので、しっかりと最後まで追いました」と戸崎騎手はすがすがしい表情だ。
昨年のこのレースで、牝馬として史上最高齢のGI勝利を飾ってから1年が経った。サラブレッドの7歳は人間に換算すると30代後半ともいわれるが、いまだに衰えなどとは無縁だ。勝ちタイム1分31秒5はレースレコードを0秒4更新し、2012年の
安田記念で
ストロングリターンがマークしたコースレコードに0秒2差まで迫る。
藤原英調教師は08年の
エイジアンウインズを含め、このレース3勝目。「あんなに前がパカッとあくとは。何通りかの作戦を考えていたが、シチュエーションが完全にはまった」と想像以上の強さに驚きの口ぶりだった。
昨年いっぱいで引退も考えられていたが、12月の
香港スプリント9着後にオーナーから現役続行の打診があった。トレーナーは年齢などを考慮し、年明けまで返答に時間をかけたが、「オーナーの希望をかなえたい」と承諾。思いに応えた。
「馬を信じながらやってきました。仕上げてくれたスタッフと、現役続行を決めてくれたオーナーに感謝しています」と素直に喜んだ。
「ここが最大目標だったので、今後については考えていません」と藤原英師。どんな路線をたどるかは分からないが、次に出走するときは、また新たな記録が生まれる瞬間かもしれない。 (藤沢三毅)
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