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第73回菊花賞(21日、京都11R、GI、3歳オープン国際、せん馬不可、馬齢、芝・外3000メートル、1着本賞金1億1200万円=出走18頭)圧倒的な1番人気に支持された内田博幸騎乗のゴールドシップが、2周目の向こう正面からまくって押し切る横綱相撲で優勝した。
「名馬が誕生したね」。小林英一オーナー(81)=北日本精機(ベアリング等の精密機器の世界的シェアを持つ)会長、北海道芦別在住=は、感無量の面持ちで口を開いた。馬主になって20年以上になるが、重賞レースでの口取りはこの日が初めて。「何十年も前からこの日を待ち焦がれていました。本当に嬉しい」と白い歯をのぞかせた。
生産者である出口牧場の出口俊一場主(56)も万歳だ。「きょうが一番嬉しかった。何より会長と一緒に口取りできたのがよかった」と言って声を詰まらせた。オーナーが最初に手にした競走馬の1頭がゴールドシップの祖母パストラリズム。恩返しをできたという思いが巡ったのだろう。その労をねぎらうかのように、出口さんの肩をポンと叩いた小林会長は「シップは全天候型の馬。今後のことは須貝先生に任せていますが、世界に挑戦することに異存ありません。これで私も4、5年長生きができる」と笑いの渦をつくり締めくくった。(水戸正晴)
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