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第45回新潟記念(30日、新潟11R、GIII、3歳上オープン国際、ハンデ、芝・外2000メートル、1着本賞金4300万円=出走18頭)5番人気ホッコーパドゥシャがクビ差で重賞初制覇を飾ると同時にサマー2000シリーズ逆転Vを決めた。1分59秒6(良)。落馬負傷の石橋脩騎手に替わり初コンビを組んだ江田照男騎手(37)=美・フリー=は競馬学校同期の村山明調教師(38)にJRA初重賞をアシスト。馬主と厩舎関係者には計5000万円のボーナスが贈られる。1番人気のアルコセニョーラは5着。
1着から18着までが、0秒9差の大混戦。まさに“ザ・ハンデ戦”のゴール前を抜け出したのは、外から伸びたホッコーパドゥシャ。“急造コンビ”だった江田照男騎手の笑顔が弾ける。
「乗りやすくて、どんな競馬もできると聞きました。最後までいい脚を使ってくれましたね」
騎乗予定だった石橋脩騎手が9Rで落馬負傷。急な依頼も、アドバイスを受けた20年目のベテランは冷静だった。「エンジンのかかりが遅い」特徴を頭に入れ、外に出しながら加速。持ち味をフルに生かす好騎乗で勝利を引き寄せた。
アクシデントを受けて江田照を指名したのは競馬学校騎手課程で同期生だった村山明調教師。交流GIジャパンダートダービーをテスタマッタで優勝しているが、JRA重賞は初勝利。「JRA初重賞を同期で勝てたのも縁があるのかな、と思います」と喜ぶ。指名された江田照は“僕でいいの?”と驚いたが、「(学校時代に)努力家で、よく研究していた」姿を覚えていた。サマー2000シリーズ優勝を決める大きなクビ差は、同期の友情の産物だ。
昨秋の開業から順調に成績を伸ばしてきた村山師は松田国、角居厩舎などで修業を重ね、躍進著しい。開業後の新規調教師は、引き継いだ馬に新たな調教を課すことも多いが、村山師は違った。「もともと走っていた馬はプライドを尊重すべき」と、パドゥシャが所属していた浜田厩舎の調教法を踏襲。坂路中心の調教で結果を出した。
次走は流動的だが、同じ左回り芝2000メートルの天皇賞(11月1日、東京、GI)も視野に。「天皇賞はウオッカがいるんですよね。でも、母の父ヤマニンスキーからはヤエノムテキという天皇賞馬が出ていますから」と村山師は理論派らしく可能性を模索。秋への意欲を口にした。重賞初勝利と夏の王座という喜び二重奏で勢いに乗ったホッコーパドゥシャが、若き名トレーナーのもとで、秋にも主役の座を目指して飛躍していく。(黒田栄一郎)
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