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函館スプリントSで念願の重賞タイトルを獲得したグランプリエンゼルは札幌競馬場ダートコースで5ハロン67秒8、終い12秒0を楽々とマーク。先行した僚馬を瞬時にかわすと4馬身突き放した。愛馬の好追い切りを見届けた矢作調教師は「自信満々で行けるって書いてもらっていい」と重賞連勝に意欲も“満々”だ。
札幌競馬場で朝日を全身に浴びたグランプリエンゼルがひと回りも、ふた回りも体を大きく見せている。
追い切りは藤岡佑騎手(実戦は熊沢騎手)を背にダートコースで僚馬ポイントプリム(牝3未勝利)を2コーナーから3馬身ほど追走する形でスタート。徐々に差を詰め、4コーナー手前で馬体を外に併せ直線へ。残り200メートル付近から鞍上が軽く気合をつけると素早い反応を見せ、四肢に巻かれた紅白のバンテージが一定のリズムで躍動する。瞬時に4馬身差をつけて、5ハロン67秒8、3ハロン39秒2-12秒0で余裕たっぷりのゴールイン。重賞ウイナーの箔がついて走り自体にも一層力強さが加わった印象だ。
「前走と同じく牧場から入厩して10日で使うパターンだが、前走よりもじっくりやれたので馬も良くなっているね」。追い切りを見届けた矢作調教師も満足そうな表情を見せる。前走後は浦河町のシュウジデイファームに放牧に出て20日に札幌入り。23日にはダートで5ハロン64秒8をマークし、乗り込み量は十分過ぎるほどだ。
「日曜にやってもガタッと来なかったし、きょうも最後は抜群の反応だった。札幌の芝は合うし、今回も斤量は51キロだしね。できればセントウルS(9月13日、阪神)は使いたくなので、ここでいい勝負をしてスプリンターズS(10月4日、中山)へ向かいたい。不安材料もないので自信満々で行けるって書いてもらっていいよ」とトレーナーはデキと仕上げの良さに胸を張る。
舞台は前走と同じ札幌の6ハロン戦。函館SSに続いて北の短距離GIIIを完全制圧すれば、サマースプリントチャンピオンの座も見えてくる。渾身の仕上げを施した3歳牝馬グランプリエンゼルがスプリント女王を目指して邁進する。(片岡良典)
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