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ウッドチップを盛大に蹴り上げて、昨年の日本ダービー馬ドウデュースが栗東坂路を駆け上がった。見届けた友道調教師が手応えを口にした。
「時計は速かったですけど、無理せずにあの時計。具合はいいです。(1週前追い切りで武豊)ジョッキーがまたがって、気持ちの面もスイッチが入りましたね」
単走でゆったりスタートし、馬なりで加速。うなるような手応えで4ハロン52秒8─12秒0を計時した。国内最終追い切りを坂路で行うのはデビュー以来初めて。「負荷をかけながらも、速い時計は出さなくてもいいので」と意図を説明。その効果か「調教終わりに周りの馬を威嚇するぐらい元気いっぱいで、戦闘モードに入ってきました」と目を細めた。時計、動きともに申し分なく、調教評価は『S』となった。
1週前の19日には栗東CWコースで6ハロン81秒1─11秒2。手綱を取った武豊騎手は「反応が速く、さすがドウデュースだなと思いました」とうなずく。今年3月のドバイターフを左前肢跛行で取り消し、夏は休養。9月8日に栗東トレセンへ帰厩した。「最初に見たときは驚くぐらいムキムキになっていましたね」と進化に目を丸くする。
今回はGⅠ4連勝中のイクイノックスと日本ダービー以来の対戦。「同期で世界ナンバーワンですからね。すごく強いなと思ってみていました。一緒に(違う馬に)乗っていても、圧倒的な強さだと感じていました」と敬意を払いつつ「イクイノックスとレースをするたびに『ドウデュースでいつかもう一度』という気持ちはありました。ようやくその時がきましたね」と胸を高鳴らせた。
「東京2000メートルはいい条件。枠順や展開、他馬の出方を見ながら柔軟に対応したい。イクイノックスだけではなく、他の馬も強いですから。ドウデュースの力を出すことだけに集中したい」と武豊騎手。〝世界一〟を止めるのはこの馬しかいない。改めてダービー馬の強さを見せつける。(長田良三)
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