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第56回日経新春杯(18日、京都11R、GII、4歳上オープン国際、ハンデ、芝・外2400メートル、1着本賞金5800万円=出走16頭)第56回日経新春杯は荻野琢真騎乗で11番人気のテイエムプリキュアが見事に逃げ切り、約3年1カ月ぶりの復活Vを飾った。タイム2分26秒6(良)。当初は引退レースの予定だったテイエムは状況が一変、現役続行の可能性も出てきた。2着に3番人気のナムラマース、3着に4番人気のタガノエルシコが入り3連単は21万3570円の波乱となった。
“引退レース”と聞いた幸運の女神が最後に微笑んでくれた。乱戦の主役を演じたのはテイエムプリキュア。苦労を重ねてきたGI馬が、アッと驚く“圧逃ショー”で、実に05年の阪神JF(GI)以来、約3年1カ月ぶりの勝利を飾った。
「最後まで本当に一生懸命、走ってくれましたね。本当にファンの多い馬ですし、花道を飾れて良かったです」
大歓声で沸き返るスタンドを横目に、見事すぎる復活Vを演出した3年目の荻野琢騎手が、興奮気味に喜びを爆発させた。レースは激しいハナ争いも予想されたが、思った以上に楽な単騎逃げが叶い、向こう正面では10馬身近い“セーフティーリード”。勝負どころの坂を下っても競りかけてくる馬はなく、抜群の手応えのまま4角を回る。そして直線半ばでは、安全圏へ突入。影をも踏まさぬ形で、最後は3馬身半差をつけてゴールへ飛び込んだ。
「昨年のビデオを何回も見て、早めに動く競馬をしようと思っていました。最後まで何か来ると思いながらでしたし、ゴールした後の着差も分かりませんでした」
無我夢中で追い続け、5回目の挑戦で手にした重賞初勝利。先日、成人式を終えたばかりの若武者が大金星に酔いしれた。49キロの軽ハンデに加え、昼過ぎから降り出した雨もプリキュアを後押したのは確かだが、五十嵐調教師は「指示した通り、いやそれ以上に最高の乗り方をしてくれた」と荻野琢のベストパフォーマンスを勝因に挙げた。
当初は引退レースの予定だったが、この勝利で状況は一転。現役続行の可能性も出てきた。「オーナーと相談してからだけど、まだ走れることが分かったからね。まあ2、3日様子を見てから決めるよ」とトレーナー。思えば昨年もあった引退話をこのレースの3着で撤回。まだまだ元気な6歳馬。もしかしたら来年もこの日経新春杯で、雄姿が見られるかもしれない。(瀬戸聡)
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