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ダービーの余韻が覚めない今週も、東京競馬場でGI安田記念(7日、芝1600メートル)が行われる。一昨年はロードカナロア、昨年はジャスタウェイと、ここ2年は海外でも結果を出してきた1番人気馬が優勝した。しかし、過去10年で馬単万馬券が6本も出ているように、10番人気以下の伏兵が4頭連対するなど、荒れるGIでもある。今年も多士済々のメンバーがそろっており、馬券的にも注目したい一戦だ。
ドゥラメンテで皐月賞&ダービーの2冠を達成した美浦・堀宣行厩舎は、3連勝中の上がり馬モーリス(牡4歳)を送り出す。転厩初戦となった今年1月の若潮賞(1000万下)を楽勝すると、1600万下のスピカSも快勝。オープン昇級戦の前走・GIIIダービー卿チャレンジTではスタートで後手に回ったが、上がり3ハロン33秒0の豪脚で大外から突き抜け、2着クラリティシチーに3馬身半差をつけて重賞初制覇を飾った。今回は斤量が3キロ増えて58キロになり、実績のない東京コース。メンバーも一気に強化されるが、勢いは本物だ。4連勝での戴冠も十分。今回は久々に川田将雅騎手とのコンビで臨む。
僚馬リアルインパクト(牡7歳)は、7歳になった今年もますます元気だ。豪州遠征では、GIジョージライダーSで2011年安田記念に次ぐ、GI2勝目をマーク。続く豪GIドンカスターマイルでも2着と力を示した。帰国後も順調で、実力馬の底力は軽視できない。ダービーに続いて、堀厩舎が2頭とも上位に食い込む可能性は十分にある。
昨年のマイルチャンピオンシップで2着と好走したフィエロ(栗東・藤原英昭厩舎、牡6歳)は昨年暮れに香港へ遠征し、香港マイルで6着。その後はひと息入れて、始動戦のマイラーズCで勝ち馬レッドアリオンと0秒1差の3着となった。今回は休み明けをひと叩きされた上積みが大きい。昨年の安田記念は不良馬場で持ち前の瞬発力を生かせず8着だったが、良馬場ならチャンス十分だ。
昨年のマイルCS優勝馬ダノンシャーク(栗東・大久保龍志厩舎、牡7歳)は、3月の阪急杯(5着)で始動したが、予定していたマイラーズCを挫跖で回避。その影響がどう出るかだが、乗り込みは順調に進められている。休み明けで出走した昨年の安田記念は4着。一昨年も3着と底力は随一で、マイルGI秋春連覇を果たす可能性はある。
前哨戦の京王杯スプリングCを勝ったのはサクラゴスペル(美浦・尾関知人厩舎、牡7歳)。スプリント戦でも活躍してきた快速馬のイメージが強いものの、一昨年のこのレースでも0秒4差5着という実績がある。当時より力をつけており、ここでも軽視はできない。
今回と同じ舞台の東京新聞杯で重賞初制覇を飾り、京王杯スプリングCでアタマ差の2着となったヴァンセンヌ(栗東・松永幹夫厩舎、牡6歳)は充実ぶりが著しい。母が晩成型の名スプリンターとして知られるフラワーパークだけに、さらなる相手強化を克服する可能性もあるだろう。
昨年のNHKマイルC優勝馬ミッキーアイル(栗東・音無秀孝厩舎、牡4歳)は高松宮記念で僅差3着からの参戦。近走は控える競馬が板についており、幅の広がった脚質でGI2勝目を狙っている。
成績が安定しないが、2012年のNHKマイルCの覇者カレンブラックヒル(栗東・平田修厩舎、牡6歳)もマークをしておきたい存在だ。
洛陽S-マイラーズCを連勝中のレッドアリオン(栗東・橋口弘次郎厩舎、牡5歳)、ヴィクトリアマイル2着から挑むケイアイエレガント(美浦・尾形充弘厩舎、牝6歳)、左回りのマイル戦が得意なサトノギャラント(美浦・藤沢和雄厩舎、牡6歳)、前走で出遅れに泣いたダイワマッジョーレ(栗東・矢作芳人厩舎、牡6歳)、自在性が混戦で生きそうなサンライズメジャー(栗東・浜田多実雄厩舎、牡6歳)なども差はなく、春のマイル王決定戦はまさに大混戦の様相を呈している。
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