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マイルチャンピオンシップに出走するモーリス(美浦・堀宣行厩舎、牡4歳)の追い切りが19日、茨城県の美浦トレーニングセンターで行われた。約2年ぶりにコンビを組むライアン・ムーア騎手(32)=英国=が騎乗して、Wコースでラスト1ハロン11秒9と抜群の反応を披露。6月の安田記念1着以来となるが好仕上がりをアピールした。レース史上最多のGI馬9頭がそろった大激戦で春秋マイルGI制覇を狙う。枠順は20日に決まる。
GI馬同士の豪華なスパーリングで態勢を整えた。風がやみ、馬もまばらになった調教後半の時間帯にWコースへ登場したモーリスが、5カ月半のブランクを感じさせない動きを披露。春秋マイルGI制覇に向けた最終追い切りを、この日最速のラスト1ハロン11秒9(4ハロン52秒1)とキレッキレの末脚で締めくくった。
「追い切りの感触はすごく良かった。2年前より体がしっかりできあがって、今は完成というか体をうまく使えるようになった印象を受ける」
京王杯2歳S(6着)以来、パートナーの背中にまたがったムーア騎手が、成長ぶりに頬を緩めた。
追い切りはGI2勝馬リアルインパクトの4、5馬身後ろからスタートした。3コーナー過ぎから一気に内へ並びかける形になったが、そこで一度抑えて我慢。直線は鞍上が軽く促す程度でスムーズに加速し、併入ながら僚馬を手応えで圧倒した。
追い切り後には念入りにゲート練習。5頭並んで駐立させてから、モーリス1頭だけ発馬まで行った。これまで出遅れが多い馬だが、鞍上は「まったく問題なかった」と好感触だ。
4連勝で安田記念を制覇。秋は毎日王冠で始動予定だったが、背腰の痛みから脚がスムーズに前に出なかったことで出走を回避。「使った後にさらに悪くなることを考えた」と堀宣行調教師は経緯を説明した。
当初の予定を変更してのぶっつけ本番。それだけに仕上がり具合が気になる。トレーナーは「だいぶ間隔があいているので、通常よりも少し早めに仕上げてきました。先週までで調教量としては十分だと。オーナーの理解もあって立て直すことができた」と、力が出せる状態をアピールする。
「どんなレースでも運が必要だが、運が少しあれば、それだけの結果がついてくると思う」とムーア騎手。この秋は米国のブリーダーズカップで2勝をあげるなど、世界中のGIを勝ちまくる英国人騎手も素質を高く評価する。
マイルCS史上、安田記念からの直行ローテで勝った馬は1頭もいない。それでも世界の名手が認めるモーリスなら、ジンクスを破る走りを見せてくれそうだ。 (板津雄志)
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