今年のJRA・GI開幕戦、
フェブラリーSが23日、東京競馬場で16頭によって争われ、ルメール騎乗で1番人気のモズアスコットが豪快に差し切ってV。2018年
安田記念以来のGI2勝目で、史上5頭目の芝&ダートGI制覇の快挙を達成した。2着に16番人気の
ケイティブレイブ、3番人気の
サンライズノヴァが3着で、3連単は46万4920円の高額配当となった。
砂煙と大歓声に包まれながら、東京競馬場の直線501・6メートルを駆け抜けた。2018年
安田記念勝ち馬モズアスコットが、今度はダートのGIも鮮やかに差し切り。史上5頭目となる芝&ダートGI制覇の快挙で、新たな砂の王者を襲名した。
「いいスタートでしたし、素晴らしい走りでしたね。砂をかぶっても大丈夫でした。コンディションが良かったので、勝つ自信はありました」
この日6勝目と会心の一日となったルメール騎手が、笑みを浮かべた。検量室前で地方の短期免許を取得して来日中のミカエル・ミシェル騎手(24)=フランス=から祝福を受け、「『いい騎乗でしたね』と言われました」と笑った。
アルクトスと
ワイドファラオが2頭でレースを引っ張り、前半3ハロンは34秒6のハイペース。道中は昨年の覇者
インティのやや後ろを追走。直線では馬場のやや内めから残り200メートル付近で抜け出すと、鞍上が後続を振り返る余裕さえあった。
「状態、条件も、前走から好転してかなり自信があったので緊張しました」と矢作調教師。これで
有馬記念(
リスグラシュー)、
ホープフルS(
コントレイル)に続くJRA・GI実施機会3連勝。04年の松田調教師以来2人目の快挙に「ちょうど駒がそろっていたのもあるけど、スタッフが仕事をしてくれていますからね。バラエティーに富んでいるのがうちの厩舎らしいですね」と喜びをかみしめた。
次走はオーストラリアGI・
ドンカスターマイル(4月4日、ランドウィック競馬場 芝1600メートル)に参戦。再び芝でGI制覇を狙ったうえで、秋には米挑戦プランも浮上している。
この優勝で今年のブリーダーズカップ(BC)クラシック(11月7日、米GI、
キーンランド、ダ2000メートル)への優先出走権を獲得したが、矢作師は「距離に限界があって、ダート1800メートルや2000メートルは厳しい。秋は、BCであればダートのマイルを考えています」と、BCダートマイル(同、ダ1600メートル)を視野に入れていることを明かした。
「芝、ダート問わずに本格的な二刀流として育てていきたい」
芝で14戦全勝のフランケル産駒だが、母インディアは米ダートGIIなど6勝。血統的にも期待の大きいアスコットが、次は世界でその名をとどろかせる。 (渡部陽之助)
モズアスコット 父フランケル、母インディア、母の父ヘネシー。栗毛の牡6歳。栗東・
矢作芳人厩舎所属。米国産。馬主は(株)キャピタル・システム。戦績21戦7勝(うち海外1戦0勝)。獲得賞金4億1171万4000円(JRAのみ)。重賞は2018年GI
安田記念、20年GIII
根岸Sに次いで3勝目。
フェブラリーSは
矢作芳人調教師、クリストフ・ルメール騎手ともに初勝利。馬名は「冠名+英国の競馬場の名前」。
★23日東京「
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