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5日、今年の中央競馬が開幕する。中山初日のメーン、中山金杯の追い切りが3日、東西トレセンで行われた。美浦では、11カ月半ぶりとなるネヴァブションが北Cコースで余力たっぷりに好時計をマーク。骨折明けとなるが、帰厩後の約3カ月間は十分過ぎるほどの調教量を消化、重賞3勝の9歳馬の意地を見せつける。
午前7時、氷点下2度のピンと張り詰めた空気の中、僚馬リアルフリーダム(牡5、500万下)とともに北Cコースに姿を見せたネヴァブション。馬場入り直後は鞍上の小野寺騎手(レースは後藤騎手)の誘導に逆らって立ち止まるなど“頑固ジジィ”ぶりを見せていたが、自身が納得すると軽めのキャンターに移って、向こう正面から追い切り開始。リアルを3馬身追走し、4コーナーで外に併せる。鞍上が右ムチでGOサインを送ると即座に前進気勢を見せて5ハロン66秒7、3ハロン38秒6-12秒6で同入した。
「直線は反応を確かめる程度に軽く叩いたが、動きは先週よりも素軽さが出て、だいぶ良くなった。息遣いも良く、太め感もありません」と小野寺騎手は手綱から伝わる1週前との感触の違いを口にする。
昨年のAJCC3着後は、産経大阪杯を予定していたが、1週前追いで左中足骨(球節から飛節にかけての大きな骨)の骨折が判明した。
「数ミリずれていたら…というものだった。前肢にも後肢にもボルトが入っているんだが、運が強い馬なんだろうね」
3度目の骨折は能力喪失の危機もあった。それだけに伊藤正調教師は不死鳥の如く蘇ってきた愛馬の精神力に感服する。昨秋に帰厩してから3カ月、慎重に調整されてきた。
「先週までは少し重い感じもしたが、乗り役(小野寺騎手)を乗せるようになってから目付きが変わって、戦闘モードに入った感じ。きょうの動きも最後まで楽について行けたし、ここまでは予定通り。1年近く休んでいたので、まずは無事に走ってくれるのが一番だけど、ここを目標にしっかりと仕上げてきたよ」と指揮官は古豪の底力に期待を寄せる。
久々でトップハンデの58キロと条件的には決して楽でないが、GII3勝の実績は最上位。9歳とはいえ休養期間が長く、大事に使われてきたこともあり馬体は若い。ライバルたちをねじ伏せて、ネヴァブションが新春に復活を誓う。 (片岡良典)
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