先週の
桜花賞に続き、今度は中山でクラシック第2弾の
皐月賞(15日、GI、芝2000メートル)が行われる。4戦4勝で断然の主役とみられていた
ダノンプレミアムが回避し、一転して混戦ムードが漂うが、馬券的には興味深くなった。また、1~5着馬にはダービー(5月27日、東京、GI、芝2400メートル)の優先出走権が与えられる。その意味でも、目が離せない一戦だ。
弥生賞2着の
ワグネリアン(栗東・
友道康夫厩舎、牡)が人気の中心になる。デビューからの連勝は3でストップしたが、本番と同じコースでメンバー最速の末脚(3ハロン33秒7)をマークして連対を確保。試走としては合格点を与えられる内容で、その勝ち馬が不在となればチャンスは大きい。
福永祐一騎手は
皐月賞で2着が4度(1998年
キングヘイロー、2012年
ワールドエース、13年
エピファネイア、15年
リアルスティール)ありながら、勝ち星はなし。デビューからコンビを組み続ける相棒と、悲願のVを目指す。
フジテレビ賞
スプリングSを鮮やかに差し切った
ステルヴィオ(美浦・
木村哲也厩舎、牡)は、全5戦でメンバー1位か2位の決め手を発揮し、連対を外していない。父の
ロードカナロアは、先週の
桜花賞を産駒の
アーモンドアイが制して、ますます種牡馬として評価を高めている。ただ、今回は父も未経験の2000メートル。その克服が鍵となりそうだが、前走の内容を見る限り、大きな不安はないだろう。管理する木村調教師は目下15勝をマーク。2位(
田村康仁調教師)に3勝差をつけて関東リーディング首位と好調だ。新進気鋭のトレーナーにはGI初制覇がかかっている。
新馬戦-すみれSと2戦2勝の
キタノコマンドール(栗東・
池江泰寿厩舎、牡)は、タレントのビートたけしが名付け親ということでデビュー前から話題となっていたが、レースぶりも大物感がある。初戦は流れも遅く、ぎりぎり差し届いたという印象で、タイムも平凡だったが、圧巻だったのは前走だ。8頭立てでの後方待機。流れは落ち着いて瞬発力勝負となったが、断トツの上がり(3ハロン33秒8、2番目に速い馬が同34秒5)で豪快に差し切った。2分11秒7(良)のタイムも優秀だ。昨年は9番人気&4番人気で1、2着を独占した池江厩舎の管理馬でもあり、期待は大きい。
オウケンムーン(美浦・
国枝栄厩舎、牡)は3連勝で
共同通信杯を制覇。数少ない父
オウケンブルースリの産駒として初の重賞勝ちを決めた。中山2000メートルも2走前に500万下を制しており、不安はない。戦ってきた相手のレベルに疑問符がつくところだが、レースセンスの良さは上位。連勝の流れに加えて、国枝厩舎は先週の
桜花賞を
アーモンドアイで制しており、人馬の勢いはNO.1だ。
本来なら、今回と同舞台のGI
ホープフルSを勝った
タイムフライヤー(栗東・
松田国英厩舎、牡)はもっと注目されるべき存在だが、前走の若葉S(5着)が案外な内容。レース後の良化もややスローな印象で、大きな変わり身は望みにくい。最終追い切りでの前進と、新コンビ
内田博幸騎手の豪腕に望みを託す形だ。
