第21回
青葉賞(3日、東京11R、GII、3歳オープン国際(指)、馬齢、芝2400メートル、1着本賞金5200万円=出走18頭)10番人気の
ショウナンラグーンが、直線一気の末脚を見せて重賞初制覇。同馬は1997年の
オークス馬
メジロドーベルの孫で、ドーベルを育てた
大久保洋吉調教師、主戦騎手だった
吉田豊騎手の師弟コンビで優先出走権を獲得した
日本ダービー(6月1日、東京、GI、芝2400メートル)に向かう。タイム2分26秒5(良)。1番人気の
ワールドインパクトは2着に敗れた。
この馬でダービーへ行きたい-。10番人気の低評価を覆したのは血統のなせるわざか、それともジョッキーの執念か。1997年の
オークス馬
メジロドーベルの孫
ショウナンラグーンが、来年2月で定年を迎える大久保洋師に最後のダービー切符をもたらした。
「大久保先生と最後のダービーですから、なんとしても出たかった」
汗をぬぐう
吉田豊騎手の紅潮した顔に笑みが広がった。道中は後方を追走。先に抜け出した1番人気
ワールドインパクトを、祖母譲りの上がり33秒8の末脚で外から猛追すると、ゴールではアタマ差前に出ていた。「折り合いに気をつけて乗ったけど、最後は前が開いてくれて、この馬らしい伸びでした。ドーベルは最初からしっかりした馬だったけど、こちらは徐々に力を付けています」と、快勝を振り返った。
検量室前で引きあげて来るラグーンを出迎えた大久保洋師は思わず涙をぬぐう場面も。師は「母は事故で2戦しかできなかったし、どうしてもこの血統が欲しくてオーナーに買ってもらった。久々にゴールでは声が出たよ。いままでで一番うれしい勝利だね」と声を弾ませた。
師弟愛でつかんだ最後の切符。
ショウナンラグーンはすべての思いを乗せて、ダービーでも疾走する。(柴田章利)
★3日東京11R「
青葉賞」の着順・払戻金はこちら
ショウナンラグーン 父
シンボリクリスエス、母メジロシャレード、母の父
マンハッタンカフェ。黒鹿毛の牡3歳。美浦・
大久保洋吉厩舎所属。北海道洞爺湖町・レイクヴィラファームの生産馬。馬主は国本哲秀氏。戦績7戦2勝。獲得賞金は6626万9000円。重賞初勝利。
青葉賞は
大久保洋吉調教師は2004年
ハイアーゲームに次ぐ2勝目。
吉田豊騎手は1997年
トキオエクセレントに次ぐ2勝目。