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『競馬』という名の推理小説 ~第18話桜花賞(解決編)~

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12.6-11.2-11.8-11.9-11.4-11.1-11.1-12.2=1.33.3
(35.6-23.3-34.4) ▼3±0△11 平坦戦

「アンカツさんにやられた」
そんな感じのレース内容です。

強力な逃げ馬不在、今年はそんなメンバーでしたがまさかのオウケンサクラの逃げでした。
レース後安藤Jがこうコメントしています。
「前のレースを見ていて、バテないタイプと思っていました。いい流れでしたが、渋いタイプで切れない分、差されてしまいました。」
つまり、瞬発力では勝ち目は薄いが底力勝負に持って行ければ目はあるはずと思ったに違いありません。
同時にテンから飛ばす馬も見当たらず底力勝負になる可能性も低いとも思ったのでしょう。
自らがハイペースで逃げたとしても自滅するケースも出てくる。
そこで取った作戦は「テンを出来る限りスローでまとめてラスト4Fのロングスパートで勝負する」ということでした。
別の言い方をすれば阪神外回りで内回りのようなレースをするということです。
(かえって分かりにくいかも)

テンの3F35.6秒は07年の35.7秒に次ぐスローな流れ。
暴走でもしない限りこの時点で3角10番手以下のポジションの馬にはかなり不利な状況になりました。
07年と今年で異なるのは上記にも書いた通りスパートする地点です。
07年は中盤も溜めてのレースの上がりが33.9秒という驚愕の瞬発戦。
今年の場合は中盤のラップは「11.9-11.4」でラスト5F目→4F目の区間で▼5のスパートを開始しています。
瞬発力をラスト4F目~2F目で使ってラストの1Fで底力勝負(我慢比べ)に持ち込んだというレース内容。
結果的に瞬発力と底力の両方を兼ね備えた馬が上位に来たということだと思われます。
もちろんこのレースでの適性はあったが位置取りが後方すぎて勝負にならなかったという馬もいた可能性はあります。

勝利したアパパネは単なる瞬発馬ではなかったということ。
着差はあったが福島芝18で3着になった実績もありましたからね。
それと前走の重馬場で先行した自在性というのも今回はプラスになったと思われます。
前走で阪神JFのように後方からのレースをしていれば桜花賞でいきなり先行するのは危険と思われたでしょうし、それで敗退すれば1人気なので叩かれること必至だったでしょう。
馬の強さは十分把握できたレースではありますが次走という点では絶対視出来ないかもしれません。
やはりオークスとなれば距離不安が十分考えられるからです。
栗東留学を行った要因もおそらくは「桜花賞が全て」という陣営の意気込みから来るものだとも思っています。
牡馬のメンバー次第でしょうがNHKマイルCということも考えられるかも。

2着のオウケンサクラは上記に書いた通り見事なレースでした。
使い詰めで来てはいますが馬体重も±0で出走できているので馬の適性もさることながらあらゆる意味でタフですね。
元々オークス向きという評価の馬なのでオークスでも十分活躍は期待できます。
あとは馬の状態が最大のポイントか。

3着のエーシンリターンズは人気の盲点。
重馬場のチューリップ賞で3着、(未勝利戦だが)牡馬相手に1800mで勝利経験あり、と底力はある程度持ち合わせていたということでしょう。
エルフィンSの時計が遅かったのが人気のなかった最大の要因か。
というよりもこの手の馬は善戦しても人気が上がらないタイプ。
オークスに行ってもあまり人気はないかも(>ってこれがまた人気の盲点だったりして・・・)
馬券的には勝ち負けはともかくこの手の馬は人気が上がった時に無印にするのがセオリーな気がします。
オークスの適性ですか?
可もなく不可もなくという評価でしょうか。

3角10番手という位置取りが示す通り差し馬で唯一掲示板に載ったのは4着のショウリュウムーン
ラスト1Fはほとんどの馬が脚が止まる中一番伸びてきた印象。
最内を回って最短距離を走れたというプラス要素もあるのは確かですが負けて強しの内容だったと思います。

結果的には「牡馬相手の1800m以上のレースでの好走歴」という実績が活きたレースだったと思われます。
あと、現状では2着5着馬がやはりオークスでは有力という気がします。
まだまだ別路線組もいますからなんとも言えないですけどね。


(補足)
「▼4▼2△6」や「平坦戦」などの表記はラップギアを使用しています。
数値などは岡村信将プロより提供して頂いています。
表記の意味などの詳細は岡村信将プロのマイページをご覧下さい。

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