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ヴィクトリアマイルの追い切りが10日、東西トレセンで行われた。美浦では、大阪杯2着から挑む昨年の2冠牝馬スターズオンアースがWコースで併せ馬。またがったクリストフ・ルメール騎手(43)=栗・フリー=は「ベリーグッド」と好感触を伝えた。マイル戦への参戦は桜花賞以来だが、広い東京コースで能力がフルに発揮されそうだ。
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昨年の桜花賞、オークスを制した2冠牝馬であれば、隣にぴったり並ぶだけで相手に絶大なプレッシャーを与えられる。スターズオンアースの最終追い切りにはそんな〝すごみ〟を感じた。
美浦Wコースで6、7馬身ほどあったステラダイヤ(2勝)との差を見る見るうちに詰めていっての併せ馬。直線を迎えてもルメール騎手は微動だにせず、残り1ハロン過ぎに軽い合図を送っただけだったが、食らいつこうとする僚馬の内から楽に半馬身前に出た。
「馬の反応を感じたかった。ベリーグッド。前走(大阪杯2着)よりもいい。直線に入ってから自分で動いていって、ボタンを押したらすごい脚。走り方もすごかった。休み明けを1回使って、馬の状態は完璧になった」
感触の良さにルメール騎手はサムアップ。6ハロン82秒9、5ハロン66秒6も言うことなしだが、何よりラスト2ハロンで12秒6―11秒3と一気に1秒3もラップを上げた加速っぷりが素晴らしい。
秋華賞3着、大阪杯2着と、前2走はわずかの差で涙をのんだ。桁違いの豪脚を見せながらも、阪神芝内回りのタイトで直線が短いコース形態を勝ち切るのは簡単ではなかった。そこで陣営は東京コースに目を向けた。
「やはり広いコースが魅力。マイルも桜花賞で勝たせてもらっていますけど、東京競馬場の広いコースで直線が長いのがいいと思います」と高柳瑞調教師。桜花賞1着以来のマイル戦とはいえ、525・9メートルの直線が長い舞台なら、スターズの能力がフルに発揮できる。
あとはここ2戦で決められていないスタートだが、鞍上は「スタート前にゲート練習をしたいと調教師に相談した。1600メートルのレースでは最初にスピードを出せるかどうかが大きなポイントですから」と対策。最後まで万全を期して臨む。
「能力は絶対あるし、心配していない。4歳になって体も大きくなった。すごくいい馬。また新たなGⅠを勝ちたい」
ルメール騎手はスターズとのコンビでまだまだタイトルを量産するつもり。まずは古馬マイル女王の座につき、弾みをつける。(板津雄志)
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