先週の
フェアリーS、
シンザン記念に続いて、今週も注目の明け3歳馬による重賞が行われる。日曜中山メインの
京成杯(15日、GIII、芝2000メートル)だ。2010年の勝ち馬
エイシンフラッシュがダービー馬に輝いたほか、
サンツェッペリン、
アルナスライン、
ナカヤマフェスタ、
フェイムゲームなど、ここで上位争いに加わった馬たちがのちのGI戦線をにぎわしてきた。今年の出走馬も素質豊かな馬がそろい、目が離せない一戦となる。
実績で最上位なのは暮れの
ホープフルSで2着に好走した
マイネルスフェーン(美浦・
手塚貴久厩舎、牡)だ。未勝利を勝つまでに6戦を要したが、新馬戦の5着以外はすべて馬券圏内に踏みとどまり、昇級していきなりの重賞でもしぶといところを見せた。小柄でも使い減りせずタフな面があるのは父
ステイゴールド譲り。豊富なキャリア(7戦)を武器に、ここも安定した走りを見せそうだ。
新馬戦を制したあと、葉牡丹賞ではのちに
ホープフルSを勝つ
レイデオロの2着に食い下がった
コマノインパルス(美浦・
菊川正達厩舎、牡)も素質を感じさせる。初戦は好位からしぶとく伸びる競馬だったが、前走は控えて末脚を生かす形での好走。自在性のある脚質は頼もしい。3代母は
エリザベス女王杯を勝った
リンデンリリーで、成長力も見込める。
ホープフルSで4着だった
ベストリゾート(美浦・
木村哲也厩舎、牡)は、スタートが課題。スムーズに出た新馬戦は好位からの競馬で2着だったが、続く未勝利戦は出遅れを克服してのVで、前走もスタートで後手に回ったことが響いての0秒5差4着だった。父はハービンジャーで、初年度産駒
ベルーフ、2年目の産駒
プロフェットがこのレースを連覇。発馬さえ五分に決めれば、3世代目のこの馬がさらに父の連勝記録を伸ばすかもしれない。同じ父を持つ
サンティール(美浦・
鹿戸雄一厩舎、牝)も未勝利勝ちの内容は上々で、注意を払っておきたい一頭だ。
新潟2歳S3着以来となる
イブキ(美浦・
奥村武厩舎、牡)は、先週の
フェアリーSを
ライジングリーズンで制して重賞初Vを飾った厩舎の勢いがある。1週前追い切りは新コンビの
柴田善臣騎手を背にして、目を引く動きを披露。新種牡馬
ルーラーシップの産駒としても、初の重賞Vがかかっている。
葉牡丹賞3着の
アサギリジョー(美浦・
相沢郁厩舎、牡)は新馬戦こそ2着に敗れたものの、2戦目の未勝利戦では前出の
マイネルスフェーンを破ってV。ゲートの出が不安定で、まだ粗削りな面を残しているものの、能力の高さは示している。1週前追い切りでも好タイムをマークしており、冬場でも好調をキープしているのは明らかだ。
ここ8年連続で連対している関西馬にも期待がかかる。
ガンサリュート(栗東・
安田隆行厩舎、牡)は夏場に太め残りでデビューしたが、使うごとに体が絞れて決め手に磨きがかかり、4戦目でようやく未勝利を脱出。その後、ひと息入れてここで復帰する。目立つ時計は出ていないが、乗り込みは入念だ。
ディープインパクト産駒では唯一の登録となった
ポポカテペトル(栗東・
友道康夫厩舎、牡)だが、新馬Vの後に臨んだ前走の500万下が案外な結果。内回りのスローで瞬発力勝負になり、持ち味を出せなかった。昨年のフジテレビ賞
スプリングSを制した
マウントロブソンの全弟だけに、舞台適性は見込める。巻き返しがあっても不思議はない。
11月の東京で新馬勝ちした後、ひと息入っている
サーベラージュ(美浦・
堀宣行厩舎、牡)は、次週の自己条件との両にらみ。初戦は力の要る稍重馬場で3馬身半差の楽勝だったことから、馬場が渋れば浮上してきそうだ。
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京成杯の特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載