第67回
朝日杯フューチュリティステークス(20日、阪神11R、GI、2歳オープン国際(指)、セン馬不可、馬齢、芝・外1600メートル、1着本賞金7000万円=出走16頭)ミルコ・デムーロ騎乗の2番人気
リオンディーズが、4コーナー最後方から上がり最速の33秒3の末脚を繰り出し、先に抜け出した1番人気
エアスピネルを3/4馬身差かわしてGI初制覇を飾った。1戦1勝馬のGI制覇は
ジョワドヴィーヴル(2011年
阪神JF)以来2頭目。タイム1分34秒4(良)。1番人気
エアスピネルは2着に敗れ、
武豊騎手のJRA平地GI完全制覇は来年以降に持ち越しとなった。
偉大なるファミリーに流れる末恐ろしいほどの才能を見せつけた。日米
オークス馬
シーザリオの子で、GI2勝馬
エピファネイアの弟の
リオンディーズが、最後方からライバル15頭を一刀両断。キャリア1戦での同レースVは史上初の快挙だ。
「すごい馬ですね。賢いし、跳びが大きくてすごいパワーを感じた。直線ではちょっと外になりましたが、最後はすごい加速でした」
ミルコ・デムーロ騎手は、3月にJRAに移籍して早くもGI4勝目となり、応援に駆けつけた長女ルクレッツィアちゃん(7)、次女レティッツィアちゃん(5)を抱き、「今年はすばらしい年」喜びを爆発させた。
レースは母が勝った2005年の
オークスのリプレーのようだった。完璧に立ち回った
エアメサイアを後方から追い込んだ
シーザリオがクビ差かわしてGI初制覇を飾ったが、その因縁は息子の世代でも続いた。
メサイアの子で1番人気の
エアスピネルが中団から手応え良く抜け出したところを、
リオンディーズが大外から母と同じ3ハロン33秒3という桁違いの豪脚でねじ伏せた。同時に
武豊騎手のJRA平地GI完全制覇の夢を打ち砕く結果となり、デムーロは「ごめんなさいね」と苦笑いだ。
1984年のグレード制導入後、単独トップとなるJRA・GI23勝目を挙げた角居調教師は、「ミルコの名を叫んでいました。こんなに早くタイトルを取れるとは思わなかった」と
スティンガー(1998年阪神3歳牝馬S)と並ぶデビューから29日目での最速GI制覇に驚きの表情。「前向きさと高い能力は母から受け継いでいますね」と母と重ね合わせた。
この後は放牧に出て来春に備える。次走は明かされなかったが、当然、クラシックが視野に入るだろう。
「
ドゥラメンテと同じ
キングカメハメハ産駒で、母も兄もGI馬といういい家族。本当に楽しみ」とデムーロ。
馬名はシェークスピアの「冬物語」に登場する王から。その名のとおり、冬の仁川で世代の王となった。 (板津雄志)
★20日阪神11R「
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★ミルコ3週連続重賞V
朝日杯FSで3週連続重賞Vを飾ったM・デムーロ騎手は、今年のラストウイークも豪華なラインアップだ。
有馬記念でコンビを組む
サウンズオブアースには「
ジャパンC(5着)はスムーズにいかず不運なレースだった。力のある馬だし、勝てるようにがんばります」と手応え十分。他にも、同日の
ホープフルSは
ロードクエスト、土曜の阪神Cには
ロサギガンティアがおり、4週連続Vも十分ありそうだ。