いよいよ牡馬クラシックが開幕する。春の中山競馬最終日14日のメーンは
皐月賞(GI、芝2000メートル)。今年は“4強”の争いとみられるが、
ロゴタイプ、
コディーノ、
カミノタサハラ以上に妙味があるのが4戦3勝の
エピファネイア(栗東・
角居勝彦厩舎、牡3歳)だ。主戦の
福永祐一騎手を欠いた休み明けの弥生賞は4着に敗れたが、叩いて一変するのが角居厩舎流。初の敗戦で人気も下がっただけにお買い得といえる。
たった一度の敗戦で評価は下げられない。弥生賞4着で初黒星がつくまでは、まぎれもなくクラシックの主役だったのが
エピファネイア。休み明けの前走はあくまでもステップレースで、大一番で一変するのが角居厩舎所属馬の傾向。陣営は本番での戴冠を虎視眈々と狙っている。
「順調。体の張りが良くなってきた」。東西トレセンが全休日の8日、滋賀県栗東の厩舎で鈴木裕幸調教助手が
エピファネイアの様子を伝えた。
弥生賞はデビューからレース、調教と付きっきりで競馬を教えてきた
福永祐一騎手を騎乗停止で欠く不運。代打騎乗となった英国のウィリアム・ビュイック騎手が折り合いに手を焼き、直線で一度は抜け出したものの、最後の最後で道中のロスが響いて失速した。
「あの中でも一枚力が抜けていると思っていたが、そうではなかった。勝てる騎乗をしないと勝てない」。初めて
エピファネイアのレースを外から見たユーイチが感想を口にしたが、それでも勝った
カミノタサハラから0秒1差。「勝てる位置にいるのは間違いない」と逆転へ目を光らせる。
軌道修正はできている。栗東芝コースでの3日の1週前追い切りでは、3頭併せで6ハロン81秒0をマークして最先着。「操作性に関しては言うことない」とユーイチ。人馬の呼吸はほぼ完ぺきだ。
母
シーザリオもデビュー3連勝で挑んだ2005年
桜花賞で、先約があったユーイチが騎乗できず、名古屋競馬の
吉田稔騎手(引退)に乗り替わって2着と涙をのんだが、主戦に戻った
オークス、アメリカンオークスで日米GI制覇を果たした。星回りは息子もよく似ているかもしれない。
デビューから3連勝でラジオNIKKEI杯2歳Sを制した実力は本物。
エピファネイアがまだ負け知らずのユーイチとのタッグで、クラシックの栄冠を勝ち取る。
★JRA重賞45勝中GI18勝、大舞台に強い角居厩舎
栗東の
角居勝彦厩舎はJRA重賞45勝中、GI18勝を挙げており、大舞台になればなるほど強い。
敗戦からの巻き返しが目立つのも特徴。
ウオッカが2007年
桜花賞2着→ダービー1着、08年
ヴィクトリアマイル2着→
安田記念1着、同
毎日王冠2着→天皇賞・秋1着、09年天皇賞・秋3着→
ジャパンC1着。
ハットトリックが05年天皇賞・秋7着→
マイルCS1着。
カネヒキリが05年
武蔵野S2着→ジャパンCダート1着、08年
武蔵野S9着→ジャパンCダート1着、
トールポピーが08年
桜花賞8着→
オークス1着などの雪辱例がある。
エピファネイアについても、
角居勝彦調教師は「(弥生賞時は)長距離輸送は問題なかったし、初めての中山競馬場を経験できて良かった」と前向きだ。
4月14日中山11R・
皐月賞の特別登録馬(想定騎手入り) ★PCはこちら ★スマホはこちら
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ナリタブライアンなど“大出世”
エピファネイアが勝った
京都2歳S、ラジオNIKKEI杯2歳Sはともに出世レースとして有名。
京都2歳Sの優勝馬では1965年ダービー馬キーストン、70年
皐月賞&ダービー馬タニノムーティエ、94年3冠などGI5勝の
ナリタブライアン、2010年
皐月賞、
有馬記念、11年ドバイワールドCを制した
ヴィクトワールピサなどがいる。
ラジオN杯の覇者では93年
皐月賞馬
ナリタタイシン、95年ダービー馬
タヤスツヨシ、99年ダービー馬
アドマイヤベガ、01年
皐月賞馬
アグネスタキオン、09年ダービー馬
ロジユニヴァース、前述の
ヴィクトワールピサなどの名がある。