第18回NHKマイルカップ(5日、東京11R、GI、3歳オープン国際(指)、せん馬不可、定量、芝1600メートル、1着本賞金9200万円=出走18頭)
柴田大知騎乗の10番人気
マイネルホウオウが末脚を伸ばし、ゴール前の叩き合いを制して3歳マイル王に輝いた。重賞初制覇で、タイムは1分32秒7(良)。柴田騎手の平地GI優勝は初で、JRA通算200勝目のメモリアルVともなった。2着は6番人気
インパルスヒーロー、3着は8番人気
フラムドグロワールで、関東馬の1~3着独占はレース史上初。1番人気
エーシントップは7着だった。
あふれ出る涙を止めることができない。夢にまで見たウイニングラン。
柴田大知騎手(35)は顔をくしゃくしゃにして引き揚げてきた。
マイネルホウオウを3歳マイル王の座に就かせるとともに、自らは初の平地GIタイトルとJRA通算200勝を手中にした。
「すいません。言葉が出てきません。本当にうれしいです。夢中で追っていたから、レースのことは覚えていません」
話す間も、大知の目から涙が次から次へこぼれ落ちた。1996年のデビューから18年目。2006年と07年は1勝もできなかった。やっとつかんだ栄光だ。
スタートはふらつき気味。ハミが抜けた状態で走っていたため、後方2番手の位置取りになった。「前に行くつもりでしたが、気持ちを切り替えました」。後方から
インパルスヒーローが
フラムドグロワールを差したところを、一気に外からかわし、大接戦をクビ差で制した。
開業14年目の
畠山吉宏調教師(50)にとっても待望のGI初勝利だ。「重賞を勝つことも久しぶりなのに、GIですからね。うれしいです。(中山芝1800メートルの)
スプリングS(3着)の内容も悪くなかったけど、オーナーと相談してマイル路線に切り替えました」。
皐月賞の権利を確保しながら、NHKマイルCに照準を定めたのは正解だった。
今後については「馬の様子を見てから」と話すにとどめたが、次走は
日本ダービー(26日、東京、GI、芝2400メートル)か、マイル路線の
安田記念(6月2日、東京、GI、芝1600メートル)。次なる戦いでも感動の場面を演出してくれるに違いない。 (柴田章利)
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マイネルホウオウ 父
スズカフェニックス、母テンザンローズ、母の父フレンチデピュティ。栗毛の牡3歳。美浦・
畠山吉宏厩舎所属。北海道新冠町・ヒカル牧場の生産馬で馬主は(株)サラブレッドクラブ・ラフィアン。戦績10戦4勝。獲得賞金は1億5514万4000円。重賞初勝利。
NHKマイルCは
畠山吉宏調教師、
柴田大知騎手ともに初勝利。