【TAROの競馬研究室】Bコース4週目が波乱をもたらす?/宝塚記念展望
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先週末のマーメイドSは厳しい流れになり、直線は差し馬が台頭。その中でも力強く伸びてきたビッグリボンが突き抜けた。ビッグリボンはキセキの全妹。キセキは極悪馬場の菊花賞を勝利、2020年の荒れた馬場で行われた宝塚記念でも2着の実績がある馬。タフな阪神芝は合っていた。
例年以上にスタミナを問われた要因はもちろんペースが第一にあるが、第二は3週目の開催だったこと。過去2年は開幕週、今年は3週目。この違いにより、馬場が例年よりも荒れていて、内を通った先行馬にとっては厳しかった。道中逃げ先行を選んだ上位4頭が、結果的に全馬失速し下位から4頭に並んだことからも、スピード馬&先行勢の不利は明らかだった。
そして、マーメイドS同様に例年と異なる条件になるのが春のグランプリ・宝塚記念だ。異なる条件といってももちろん阪神芝2200mで行われることは例年通り。ただ、昨年、一昨年は2週目の開催だったが、今年は4週目。4週目の開催という点では3年前までと同じだが、当時と異なるのはBコースの4週目ということ。参考までに21世紀になってからの宝塚記念の使用コースの推移を見てみたい。
2001~2010年→ 開催2週目、Aコース2週目(※京都開催だった2006年は除く)
2011年→ 開催2週目、Bコース2週目
2012~2020年→ 開催4週目、Bコース2週目
2021~2022年→ 開催2週目、Bコース2週目
今年→ 開催4週目、Bコース4週目
ご覧の通り、これまでは4週目の開催でも前半4日間はAコース、後半4日間はBコースという馬場推移だった。ところが今年は開幕週からBコースを使用したことにより、Bコースで4週続けての開催、その最終日に宝塚記念が行われることになる。2週目の日曜日に雨の中での開催となった影響もあり、先週末の馬場を見ても例年よりは内が荒れている。このことが宝塚記念に何をもたらすか? 恐らくだが、例年よりスタミナと持久力を問われることになるのでは。
というわけで、通常とは異なる条件下での宝塚記念。特殊条件になる可能性もあるだけに、思わぬ伏兵馬の台頭もあるかもしれない。
それでは最後は先週からの狙い馬と、今週末の狙い馬を。
【次走狙い馬】ハルオーブ 6/18(日)東京4R 2番人気4着
待望の初勝利を目指すも終始インで包まれ気味、今回は内枠が痛かった。勝ち切れない印象と今回の馬券外敗戦で少し人気も落ち着きそうだが、恐らく次走はほぼ確実に条件替わりとなるのでそろそろ1200mあたりを使うのでは? 未だに未勝利なのは同じ条件を使い続けた陣営の不作為による面も大きい。条件替わりとなる次走は狙いどころ。
~今週末の注目馬~
最後は週末の注目馬で締めたい。今回はもちろん宝塚記念から。
・ジェラルディーナ(武豊騎手)
注目はジェラルディーナ&武豊騎手。
エリザベス女王杯は外から伸びて勝利。今回はBコース4週目で当時と同じような馬場になる可能性が高い。ゲートがカギだが、そこはスタート上手な武豊騎手。あとは内枠を避けてスムーズに運べれば再びチャンスだろう。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
栃木県出身、競馬予想家。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)など著書多数。最新刊は『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』(オーパーツ・パブリッシング)。 |
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【TAROの競馬研究室】函館の短い夏を攻略するために重要なこと/マーメイドS展望
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春のG1連戦も一段落し、函館開催がスタートした先週。開幕週を飾った函館スプリントSは、8枠15番のキミワクイーンが直線鋭く抜け出して差し切り勝ち。横山武史騎手が4角で少し追い出しを待ったことが、直線の鋭い末脚に繋がった。2着は自在に立ち回ったジュビリーヘッド、3着には内枠から攻めて行ったトウシンマカオが最後に突っ込んできた。
かつては2ヶ月に渡り行われた函館開催も、今は6週間。文字通り「短い夏」となる。もちろん、我々馬券ファンとしては、短くても濃い夏にしたいところだ。そこで今回は函館の攻略法をザックリとお伝えしたい。
まず大事なのは、コースの傾向について。函館芝といえば当然小回りなので立ち回り&先行力重視、内枠重視が概ね正解なのだが、だからといって内ばかり買って当たるような馬場は以前よりも減っている。先週末も初日こそ内枠有利が目立ったが、2日目になると早くも外が伸び始め、前述通りメインの函館スプリントSでは8枠15番からの差しが決まった。もちろんだからといって外差しを狙うのが正解ではないが、最近の若手騎手は馬場読みのレベルも高いため、以前のようにカンタンな決着、シンプルな逃げ先行競馬は減っているのが現状だ。レースで絡んでいったら、レース後に逆に絡まれるような強面の先輩(?)もいなくなった。
とはいえ、枠の傾向を見れば、基本的には内の方が良い。昨年の函館芝のすべてのレースにおける枠別の成績を見ても、8枠の馬は極端に成績が落ちる。8枠の勝率は全枠の中で下から2番目、連対率と複勝率は最下位だった。もっとも8枠といっても10頭立ての8枠10番と、16頭立ての8枠16番では全く意味合いが異なる。そこで馬番別にみてみるとさらに顕著な傾向がみられる。
2022年の函館芝すべてのレースにおける馬番別成績で目立つのは、やはり外枠の不利。15番枠と16番枠、つまりフルゲートにおける8枠の馬の成績は(0-2-4-40)。なんと46頭が出走して1頭も勝つことができなかった。そう考えると、函館スプリントSで8枠15番のキミワクイーンが勝ったことはある意味快挙なのかもしれない。
ちなみに内なら内ほど良いのかといえばそういうわけでもなく、1枠1番の馬の勝率はイマイチ。函館スプリントSもその傾向を象徴するようなレースで、最内枠のトウシンマカオは、その枠ゆえに戦略が狭まった印象だ。具体的にいえばあまり溜めると詰まってしまうリスクが高くなるので、ある程度出して行かざるを得なかった。
コース別にみると、内枠有利⇔外枠不利が最も顕著に出るのは芝1800m。2000mと比べて最初のコーナーまでの距離が短いため、外過ぎる枠だと戦略が限られるためだ。これは中山芝1800mと2000mの関係性に近い。また、芝1200mも基本的にはインの方が良いが、隊列によっては内にいると不利を受けやすくなる傾向もある。先週の函館スプリントSでは中枠のジュビリーヘッドを本命にしたが、それは外枠から逃げ先行集団に取りつきそうな馬が何頭かいて、極端な内枠の馬はスムーズさを欠く可能性が高いと考えたためでもある。
とりとめもなく傾向を書いてきたが、函館開催はたった6週間に凝縮されるだけに、基本的には似たような条件で似たような馬&騎手たちによるレースが繰り返されていく。だからこそ、買う側としては自分自身の得意分野を確立していくことをオススメしたい。例えば、芝ではなくダート1000m戦に特化しても良い。特定のコースで施行されるレースを観続けていると、そこで強い馬の特徴や、枠順、騎手などの傾向がクッキリと見えてくるはずだ。それは必ずしもデータに現れるものばかりではない。残りはあと5週。是非、それぞれの得意な場所を見つけて攻略してみてほしい。
というわけで、最後は先週からの狙い馬と、今週末の展望を。
【次走狙い馬】ミッキースピナッチ 6/11(日)函館7R 2番人気2着
3走前の初ダートの1000m戦は完勝、今回もスピードの違いでハナ奪うも内枠が厳しく最後差された。外枠の方がレースを組み立てやすく安心感あるが、いずれにしても力上位は明らか。引き続きダート1000mなら有力。
~今週末の注目馬~
最後は週末の注目馬で締めたい。今回はマーメイドSから。
・シンシアウィッシュ(角田大河騎手)
注目はシンシアウィッシュ&角田大河騎手。
前走は決して向いているとはいえない京都芝外回りの決め手比べだったが、それでもしのいで勝利。地力強化を証明した一戦。上がりが掛かる阪神芝2000mは前走よりも良い条件で、角田河騎手も芝の中距離は得意だ。持ち味のしぶとさを生かしての好走に期待したい。
※週末の重賞の最終本命馬は、ブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定です。
○TARO プロフィール
栃木県出身、競馬予想家。2004年にブログ『TAROの競馬』スタート。2012年より開始した有料メルマガ『回収率向上のための競馬ノート』はまぐまぐ競馬部門で読者数第1位。『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)など著書多数。最新刊は『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』(オーパーツ・パブリッシング)。 |
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