学生団体「うまカレ」で副代表をやっている金沢ユウダイです。
先週の根岸Sでは、人気でしたがモーニンを「絶好の舞台」、レーザーバレットには「本質的に東京は微妙」と懐疑的な見出しを付けました。ただ1番期待していたサクラエールが出遅れて見せ場なしだったのでダメですね(^^;)
今週は東京新聞杯です!
●東京向きの人気4歳2頭
ダノンプラチナは母父Unbridled's Songが父Unbridledのパワーと母父Caroの柔らかさ、スピードを併せ持った血統。その奥の母母父General MeetingはSeattle Slew(母My Chermer)×Alyder(母Bull Lea3×3)×Nujinsky(母系にBull Dog)、更に3代母Rare LadyがNever Bend×Double Jay(Black Toney系×Ben Brush)と、全体的にNasrullahをベースとしながら、米血が豊富で、外回り向きの長め(1800m寄りの)マイラーにでました。富士S、香港マイルの内容をみても、モーリスの2番手であることは疑いようがないですし、内目有利の馬場といってもまともな状態で出てくれば勝ち負けでしょう。
・4代血統表(ダノンプラチナ)
ディープインパクト
2002年 鹿毛 (早来町) | *サンデーサイレンス
1986年 青鹿 (米) | Halo 1969年 (米) | Hail to Reason |
Cosmah |
Wishing Well 1975年 | Understanding |
Mountain Flower |
*ウインドインハーヘア
1991年 鹿毛 (愛) | Alzao 1980年 | Lyphard |
Lady Rebecca |
Burghclere 1977年 | Busted |
Highclere |
*バディーラ
2008年 芦毛 (米) | Unbridled's Song
1993年 芦毛 | Unbridled 1987年 (米) | Fappiano |
Gana Facil |
Trolley Song 1983年 | Caro |
Lucky Spell |
Magical Allure
1995年 | General Meeting 1988年 | Seattle Slew |
Alydar's Promise |
Rare Lady 1974年 | Never Bend |
Double Agent |
ダッシングブレイズは父父El Pladの母父Sir Ivorと、母母父Miswakiをベースとしてそこが発現された走りをしますから外回り向き。ただやはりパワー血脈が多いのでマイラーですね。
ダノンプラチナよりはトップスピードに乗るのに時間が掛かるタイプだと思いますので、あまり遅い流れになると不安です。
●戦績通り勝ち切れないタイプ
4歳馬でいうと、
グランシルクはBold Ruler×Princequilloの母母キューとRoberto系の母父Dynaformerが混じった走りで東京向きでも中山向きでもなく、どこでも好走できるタイプ。しかしどちらかといえば中山向きで、東京で勝ち切るには結構なレベルの好騎乗が求められそうです。
●
ロードクエストと同じ、末脚を活かす
マツリダゴッホ産駒
阪神カップでは大外から0.5秒差7着と復調してきたもう1頭の4歳馬
アルマワイオリは、Nothern Dancerを持たない父
マツリダゴッホにNothern Dancer4×5の母を持ってきて、母の持つMill Reefにより父の持つBold Bidderを刺激した配合(どちらもNasrullah×Princequillo血脈)。同じ父を持つクラシック候補
ロードクエストも、母系にSecretariatを引いていて、「父系がNasrullah→Bold Ruler、母系にPrincequillo」というBold Bidderを刺激した配合になっていて、こういう配合だと外回りで末脚が斬れる馬になりやすいです。
アーリントンカップで2着に大外から追い込んだ走りがこの馬の本質を表していて、能力的に1枚足りないところはあるので内枠と展開利がほしいところではありますが、東京自体は合います。
●ストライクゾーンが狭い馬
トーセンスターダムはクラフティワフ牝系にディープですからSir Gaylord≒Secretariat6×5の影響か体質は柔らかく芝の外回り向き、しかし母父エンドスウィープの父フォーティナイナーのパワーが発現しているので前脚が伸びきりません。こういうタイプは内回りも器用に立ち回れたりするのですが、先述した理由から外回り向きで、ストライクゾーンが狭い馬ですね。前走は大外枠と出遅れが響きましたし、内枠なら印を回すといったところ。
●展開利が見込める2頭
京都金杯で2着となり、準オープンで勝ち切れないレースが続いていたのが懐かしい
テイエムタイホーは、Busanda≒Striking2×3で種牡馬Woodmanの母でもある、父ニューイングランドの母母プレイメイトのパワーが伝わっているのでタフな阪神で先行した時が強いです(1月の京都はパワーがいるので金杯も好走できた)。ここでも雨が降ったら要注目ですし、そうでなくとも前が残る今の馬場、そしてこのレースは
レッドスパーダ、
ガルボ、
クラレントなど先行馬が活躍してきたレースでもあります。
ダイワリベラルはマイル戦に転じて2連勝。母がトニービンとノーザンテーストを持ち、自身はノーザンテースト3×4とHyperionが濃く、さらにAlibhai7×6・6というクロスも持つので530キロを超える大型馬となりました(個人的にはダートでも面白いと思っている)。Hyperionという血の持ち味は、持続力ですから、中距離の緩い流れではなく、マイル戦の速い流れでこそ持ち味が活きるということがよくあります。
ダイワメジャー、
エリモピクシー産駒(
クラレント、
レッドアリオン等)などがこれに該当します。ただ東京替わりはマイナスでしょう。
●スローペースでも狙える差し馬
6歳となった牝馬
スマートレイアーは、母スノースタイルがLyphard3×4で、Fair Trialのスピードを伝える繁殖牝馬です。
スマートレイアーの父は
ディープインパクトですから、Lyphard4×4・5、Lyphardらしくコーナーでの加速が素晴らしく内回りの1400の阪神牝馬Sでは毎年好走してきました。加えて、Alzao≒ダンシングブレーヴ3×3でもあるので一定の斬れも兼ね揃えているのが素晴らしいです。牝馬限定戦では能力からコース問わず好走しできますが、ベストは内回り1400や、中山マイルのようなコースでしょう。ただ距離短縮は間違いなくプラスで、スローでも狙えるタイプの差し馬です。
●能力はトップクラス、強調材料が多い
同じディープ産駒の
エキストラエンドは、外回り向きのMill Reef×Sicanbreの母父Garde Royaleと内回り向きのCourt Martialを持つ母カーリングの産駒。ですから中山のダービー卿CTや
京成杯AHでも好走できるし、外回りの京都金杯やマイラーズカップでも好走できます。それ以上に注目すべき点は、①馬群の中に突っ込んで良さが出るタイプということと、7歳となり体質が良化し厳しいトレーニングを課してもへこたれなくなったというコメントが陣営から出ているという2点。昨年の
安田記念は大外枠があだとなり9着止まりでしたが、一昨年のマイルCSでは0.5秒差5着。個人的には、血統的にも能力的にもGIで通用するものがあると思っています。内枠を引いたら積極的に推したい1頭です。
【まとめ】
やはり
ダノンプラチナの能力には逆らえませんし、
ダッシングブレイズも東京向き。ただ後者はスロー濃厚な今回のメンバー構成だと差し損ねも考えられます。それならば
エキストラエンドに注目してみたいです。先述したように掴みづらいところがある馬ですが、人気以上に能力があるタイプです。他ではどこでも走れる
グランシルクと、スローペースでも差して来れる
スマートレイアー。
【参考】
日本サラブレッド配合史―日本百名馬と世界の名血の探究(笠雄二郎著)
望田潤さんのブログ
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo
栗山求さんの連載「血統SQUARE」
http://www.miesque.com/motomu/works.html
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執筆者:
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