牝馬クラシック・桜花賞(11日、阪神10R)の枠順が8日に確定した。昨年の最優秀2歳牝馬アパパネは〔5〕枠(9)番をゲット。桜花賞が18頭フルゲートで開催されるようになった1987年以降で6頭の優勝馬が出ている“最強ナンバー”だ。関東馬のアパパネは早めに滋賀・栗東トレセン入りして調整は順調。桜の女王戴冠へ視界は良好だ。
早くも勝利の女神が微笑んだ!? この日午後に確定した桜花賞の枠順で、昨年の最優秀2歳牝馬アパパネが、〔5〕枠(9)番の絶好枠をゲットした。「ラッキーナインだね。これでオレの仕事も8~9分は終わったな」。国枝栄調教師は取材陣に白い歯を見せた。
桜花賞は、フルゲートが18頭になった1987年以降、(9)番枠から90年アグネスフローラ、92年ニシノフラワー、98年ファレノプシス、03年スティルインラブ、04年ダンスインザムード、09年ブエナビスタと6頭が優勝。他の馬番を圧倒している“最強枠”だ。アパパネは同舞台で行われた昨年の阪神JFは大外の(18)番から勝ったが、今回はツキも味方に付けたようだ。
「外枠だと(前に)壁を作りづらいが、この枠なら内外の馬の出方を見ながらそれ(壁)ができるからいい。折り合いも付けやすいし、どうにでも動けそうだしね。金曜、土曜に坂路へ入れるかどうかは状態を見ながら決める」。トレーナーは2度目のGI獲りに手応えを感じている。
関東馬のアパパネは、2月18日に滋賀・栗東トレーニングセンターに入って調整中。2歳女王のタイトルをつかんだ昨年と同じ“栗東留学”で、環境にもすっかり慣れた。7日は茨城・美浦トレセンから主戦の蛯名正義騎手が駆けつけ最終追い切りに騎乗。軽快な動きで態勢は整った。8日は厩舎周りで軽めの運動を行って心身ともにリラックスした様子だ。
今季初戦となった前走チューリップ賞は、伏兵のショウリュウムーンの差し脚に屈して2着。ただ、本番を意識して少し余裕のある体つき(6キロ増)だったことを考慮すれば上々の内容だ。休み明けを使われて状態は上昇曲線を描いている。
「追い切り後も変わりなく順調。チューリップ賞の時と比べて、どれだけ中身が違っているかに注目して下さい」と福田好訓調教厩務員も気配の良さに自信の口ぶりだ。
好枠に加えて万全のデキにあるアパパネ。2歳女王から、桜の女王襲名へ-。同じ阪神マイルの舞台で再び頂点を極める。(片岡良典)
18頭フルゲートになってから(9)番で桜花賞を優勝したのは6頭。90年アグネスフローラは無敗5連勝で桜を制し、オークス2着後に脚部不安で引退。92年ニシノフラワーは3歳暮れに牡馬相手にスプリンターズS優勝。98年ファレノプシスは秋華賞、エリザベス女王杯とGI3勝。03年スティルインラブは牝馬3冠を達成。04年ダンスインザムードはGIヴィクトリアマイル優勝、天皇賞・秋、マイルCS2着。09年ブエナビスタは昨春の2冠牝馬で、今年3月のGIドバイシーマクラシックで2着と好走した。