今週は
天皇賞・秋が行われる。「俺のチェックポイント」初日は、大阪サンスポの長田良三記者が
新潟記念を勝って臨む
カラテにスポットを当てた。前走で2000メートル路線に切り替えた意図などを聞き込み、強敵に一撃を見舞う可能性があるかを探った。
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昨年の
日本ダービー馬
シャフリヤール、
皐月賞馬
ジオグリフと春2冠でともに2着の
イクイノックスの3歳世代に、
札幌記念を勝った
ジャックドールなど、今年も多彩なメンバーが集まった。
GⅠウイナーが7年連続勝利中と格が求められる一方、2015年に10番人気の
ステファノス(2着)、16年に7番人気の
リアルスティール(2着)と人気薄の好走もある。そこで伏兵の
カラテに注目した。
昨年の
東京新聞杯勝ちを含めてマイルを主戦場にしてきたが、前走は2000メートルの
新潟記念で優勝。なぜ、中距離戦線にシフトしたのかが気になる。栗東トレセン全休日の24日朝、心地いい陽光を浴びながら辻野厩舎に向かい、担当の清山助手を直撃した。
「調教に乗せてもらったときの雰囲気から、もう少し距離があった方がいいと感じていました。跳びが大きくてスタミナがある。長くいい脚を使えるのがストロングポイント。道中、ゆったり運べるほうがいい」
今年2月末の美浦・高橋祥泰調教師の定年引退に伴い、辻野厩舎へ転厩。
マイラーズC(7着)、
安田記念(16着)と結果が出ないなか、陣営は路線変更を決断した。20年4月の1勝クラス12着以来の2000メートルで、トップハンデタイの57・5キロを背負いながらも、力強い末脚で重賞2勝目を手にした。「夏バテで万全という形ではなかったけど、クリアしてくれた」と振り返るほどで、距離適性はかなり高そうだ。
毎日王冠を挟むプランもあったが、間隔をあけた方がしっかり調整できるため、ひと息入れて大一番に備えてきた。清山助手は「元気がいいですね。涼しい気候も合うのか、いい調整ができています。(春に比べて)柔軟性が出てきた。そうそうたるメンバーでも、いい形で向かえる」と力を込めた。
先行予想は△も、17年の
菊花賞を制した
キセキを手掛けた腕利きの言葉は心に響いた。追い切りや枠順も含めて注視していきたい。(長田良三)